議会報告のチラシ、ホームページ、SNSの動画。現職議員の発信の多くは、政務活動費を使って作ることができます。一方で、使い方を誤ると住民監査請求や返還命令につながり、選挙前には「選挙活動ではないか」と見られるリスクもあります。
この記事では、政務活動費の制度の説明ではなく、現職議員が「広報物を作るとき」に迷いやすいポイントに絞って、各議会の手引や判例をもとに整理します。
政務活動費は地方自治法100条14項にもとづき、条例で定めた範囲で使える経費です。多くの議会では「広報広聴費」として、議会活動や政策を住民に報告する広報紙・ホームページなどの費用を認めています。ただし、具体的なルールは議会ごとの条例と手引で大きく違います。
| 広報物 | 政務活動費の扱い | 注意点 |
|---|---|---|
| 議会報告・活動報告の広報紙 | 多くの議会で対象 | 議会活動・政策の報告が中心であること。意見募集の連絡先の記載を求める議会もある |
| ホームページの制作・維持 | 対象とする議会が多い(按分あり) | 後援会・政党活動と混在すれば按分。HP経費を対象外とする議会もある |
| 議会質問の動画・SNS用コンテンツ | 電子媒体として対象にする議会もある | SNS広告を明記した手引は少なく、事前に議会事務局へ確認を |
| 後援会の入会案内・選挙ビラ | 対象外 | 選挙活動・後援会活動・政党活動の経費には使えない |
| 年賀状などのあいさつ状 | 対象外 | 公職選挙法でもあいさつ状は禁止(答礼の自筆を除く) |
※東京都議会・さいたま市議会・兵庫県議会・京都府議会・一宮市議会などの手引による一般的な整理です。必ず所属議会の手引で確認してください。
1枚の広報紙やホームページに、議会報告と後援会・政党の内容が混ざっている場合、政務活動費で払えるのは政務活動に当たる部分だけです。
判例や議会の手引では、顔写真や氏名が大きすぎる広報物は「自己宣伝」とみなされ、按分や対象外の扱いになることがあります。
統一地方選挙の前の半年は、議会報告と選挙活動の区別が特に厳しく見られる時期です。
2027年4月に任期満了を迎える議会では、2026年10月末ごろからこうした制限がかかる場合があります。今の時期に作る広報物は、所属議会のルールを必ず確認しましょう。あわせて、氏名入りの政治活動用ポスターも任期満了6か月前から掲示できなくなります(政治活動用ポスターの掲示期限)。
総務省の調査では、47都道府県のうち39団体が政務活動費の領収書などをホームページで公開しています(2023年4月時点)。見積書・請求書の品目を「議会報告紙の印刷」「議会質問動画の編集」など、内容がわかる書き方にしておくことが、あとからの説明を楽にします。
Q. 議会質問の動画をYouTubeに上げる編集費は使えますか?
A. 議会活動の報告として認める議会もありますが、扱いは議会ごとに違います。事前に議会事務局へ確認し、内容がわかる見積書を残しましょう。
Q. 後援会の連絡先を広報紙に載せてもいいですか?
A. 載せることはできますが、その部分は政務活動以外として按分の対象になります。
Q. 選挙の直前に議会報告を配ってもいいですか?
A. 政治活動として配ること自体はできますが、政務活動費の扱いに制限がある議会もあります。告示後は選挙運動の文書規制がかかるため、告示前に配り終えましょう。
※2026年10月時点の情報です。政務活動費の使途は各議会の条例・手引で異なります。必ず所属議会の議会事務局にご確認ください。
「当選・再選へGO!」を運営するハレフルは、政治家・立候補予定者のSNS戦略、ショート動画の撮影・編集、Webサイト制作、ポスター制作を支援しています。統一地方選の直前は制作の依頼が集中するため、年内のご相談をおすすめしています。