「事務所は自宅でもいいの?」「借りるなら、いつから?」「選挙管理委員会に届け出るの?」――立候補を考え始めると、事務所をどう構えるかで迷う方は少なくありません。
事務所には、普段の政治活動のための事務所と、告示日から使う選挙事務所の2つがあり、それぞれ公職選挙法のルールが違います。さらに、現職議員の場合は、政務活動費で事務所の経費の一部をまかなえるかどうかも関わってきます。
この記事では、自宅・賃貸・購入それぞれの注意点、届出の要否、看板や2連ポスターの扱い、経費の考え方を整理します。
※2026年10月時点の情報です。看板の数や経費の扱いは、選挙の種類や自治体・議会によって異なります。実際の判断は、選挙区の選挙管理委員会や所属議会の手引きで確認してください。
事務所の看板・2連ポスターの制作もご相談ください
事務所に掲げる看板や、演説会告知の2連ポスターを、公職選挙法のルールに照らして制作します。地域によって扱いが異なる点は、状況を伺ったうえで、選挙管理委員会にも確認しながらご案内します。ご相談は無料です。
無料で相談する お電話:03-6712-7626
| 政治活動用の事務所 | 選挙事務所 | |
|---|---|---|
| 使う時期 | 普段(告示前も含む) | 告示日(立候補の届出後)から投票日まで |
| 役割 | 後援会活動、議会報告、市民相談など | 選挙運動の拠点 |
| 届出 | 事務所そのものの届出はない。後援会を政治団体として届け出るときに「主たる事務所」の所在地を書く | 設置したらすぐに選挙管理委員会へ届出が必要 |
| 看板 | 選管の証票を貼った立札・看板を、決められた数・大きさの範囲で掲示 | 選挙事務所を示す立札・看板・ちょうちんを、決められた数の範囲で掲示 |
| 数 | 制限なし(看板の枚数に制限あり) | 原則1か所(市区町村議選の場合) |
同じ場所を、告示前は政治活動用の事務所、告示後は選挙事務所として使うのが一般的です。ただし、告示前に「〇〇選挙事務所」と表示すると、事前運動や文書図画の規制との関係で問題になるおそれがあります。告示前は、実態に合った「〇〇後援会事務所」などの表示を基本にしましょう。
費用がかからず、すぐに始められるのが最大のメリットです。初めての立候補で、まず後援会の連絡先が必要という段階なら、自宅から始める方も多くいます。一方で、次の点に注意が必要です。
人目につく場所に構えられ、看板も出しやすいため、本格的に活動する段階では賃貸を選ぶ方が多くなります。
長く活動する拠点として購入するケースもあります。政務活動費は、議員個人の資産をつくることにつながる不動産の購入には原則として使えません。また、政治団体が不動産を持つことには、団体の種類によって制限があり、資金管理団体には特別な制限があります。購入を考える場合は契約前に選挙管理委員会や専門家に確認し、事務所として使う部分の経費の扱いは、所属議会の基準や税理士に確認しましょう。
事務所そのものを選挙管理委員会に届け出る制度はありません。ただし、次の2つは届出・手続きが必要です。
選挙事務所は、告示日に立候補を届け出たあと、候補者(または推薦届出者)が設置します。設置したら、すぐに選挙管理委員会へ届け出る必要があります(公職選挙法第130条)。
届出の書式や受付時間は選挙ごとに案内があるので、立候補予定者説明会の資料で確認しておきましょう。
政治活動用の事務所には、候補者等の氏名や後援会名を書いた立札・看板を、決められた範囲で出せます(第143条第16項)。
任期満了による選挙では、原則として任期満了日の6か月前から、候補者等の政治活動用ポスターが選挙区内に貼れなくなります(解散などによる選挙では始まる時期が違います)。そのあとも事務所の看板は出し続けられるため、事務所の看板が、名前を知ってもらうための大切な目印になります。ポスターの期限は「政治活動用ポスターは10月末から貼れない」で解説しています。
告示後は、選挙事務所を示すための立札・看板を、選挙事務所ごとに合計3つまで(縦350cm×横100cm以内)、ちょうちん1個を掲示できます(第143条)。政治活動用の証票つき看板と、選挙事務所の表示は別の制度です。選挙事務所に切り替える場合は、選挙事務所用の数と大きさを守り、それまでの政治活動用看板の扱いを選挙管理委員会に確認しましょう。
政党の演説会を告知する2連・3連ポスターは、政党の政治活動用ポスターとして認められるものであれば、告示日の前日まで、事務所の外壁などにも貼ることができます。ただし、次の点に注意してください。
2連ポスターの判断の目安は「駅頭・辻立ちののぼり旗は違法?」でも解説しています。
報告書の違いは「政治資金収支報告書と選挙運動費用収支報告書の違い」、選挙全体の費用は「市議・区議・町村議選の自己負担はいくら?」をご覧ください。
現職議員の場合、議会活動や政策調査のための事務所であれば、家賃や光熱費などの一部を政務活動費で按分してまかなえる議会があります。たとえば東京23区の区議会でも、会派の政務活動費の支出項目に「事務所費」を設けているところがあります。
ただし、扱いは議会によって大きく異なります。
任期の最後の時期は、選挙のための支出と見られないよう特に注意が必要です。必ず所属議会の手引きを確認しましょう。政務活動費の全体のルールは「政務活動費で作れる広報物・作れないもの」で解説しています。
後援会を政治団体として届け出ると、届出の内容や収支報告書に記載された「主たる事務所」の所在地は公表されます。公表されて困る場合は、自宅以外の場所を事務所にすることも検討しましょう。
いいえ。告示前に選挙事務所と表示すると、事前運動にあたるおそれがあります。告示前は「〇〇後援会事務所」などの表示にとどめ、告示後に選挙事務所の表示に切り替えます。
市区町村議選では、選挙事務所は原則1か所です。支援者が集まる場所を増やしたい場合も、選挙事務所としての表示や届出はできません。
告示前に行う場合は、政治活動の一環として、投票の呼びかけや飲食のもてなしをしないように進めます。詳しくは「出陣式・事務所開き・マイク納めの進め方」をご覧ください。
議会によって扱いが異なります。政務活動に使う事務所であれば、家賃の一部を按分して充てられる議会もありますが、自宅や後援会事務所は対象外とする議会もあります。所属議会の手引きを確認してください。
自宅を拠点にするか、事務所を借りるかによって、看板やポスター、SNSでの発信の準備も変わります。まずは今の準備の状況をお聞かせください。
「当選・再選へGO!」を運営するハレフルは、政治家・立候補予定者のポスターや看板の制作、SNS戦略、ショート動画の撮影・編集を支援しています。事務所の看板の数や大きさ、2連ポスターのデザインなど、公職選挙法のルールに照らして制作します。
事務所の構え方は、地域や状況によって扱いが異なります。「自宅を事務所にしても大丈夫か」「看板をどこに出せるか」など、状況を伺ったうえで、選挙管理委員会にも確認しながらご案内します。法律上の最終的な判断は選挙管理委員会や所属議会が行います。
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今から投票日までにやることを時期ごとにまとめた「2027年統一地方選挙 立候補準備の完全ガイド」もあわせてご覧ください。