「市議選に出たら、結局いくら自分で払うことになるのか」。立候補を考えた方が最初に気になるのが、この自己負担(手出し)の金額です。
選挙にかかるお金の考え方や供託金、公費負担制度のしくみは別の記事で解説しています。この記事では、市議・区議・町村議選に絞って、公費でまかなえる分を差し引いた「実際の手出し」を、3つのパターンで試算します。
選挙運動用自動車・ポスター・ビラの作成費などは、自治体が条例で定めていれば上限額の範囲で公費負担(選挙公営)になります。町村議選も2020年12月から対象に加わりました。ただし、供託金没収点(有効投票総数÷定数×10分の1)以上の得票が条件です。
| 項目 | 公費負担の上限(一般市議・区議の例) | メモ |
|---|---|---|
| 選挙運動用自動車 | ハイヤー方式で1日64,500円まで(7日間で最大451,500円) | 個別契約なら借入16,100円・燃料7,700円・運転手12,500円/日 |
| 選挙ポスター | 掲示場数に応じた単価×枚数(例:世田谷区は総額上限約62万円) | 2025年に単価の上限が引き上げ |
| 選挙運動用ビラ | 1枚8円38銭×4,000枚=33,520円まで | 町村議は1,600枚、政令市議は8,000枚 |
| 選挙はがき | 郵送料は無料(市議2,000枚・町村議800枚) | はがきの宛名書き・印刷は自己負担になりやすい |
※金額はさいたま市・世田谷区・福岡県などの公表資料による例です。上限額や対象は自治体の条例で異なります。
見落としがちなのが最後の「政治活動期の費用」です。選挙運動期間は7日間(町村は5日間)しかないため、実際には告示前の半年〜1年にかけるお金のほうが大きくなることもあります。
一般市議選(選挙運動期間7日間)を例に、公費負担を差し引いた手出しの目安を試算しました。あくまで目安で、地域や陣営の規模によって大きく変わります。
| 項目 | 最小限 | 標準 | しっかり |
|---|---|---|---|
| 供託金(得票すれば返還) | 30万円 | 30万円 | 30万円 |
| 事務所(家賃・設備・看板) | 0円(自宅) | 20〜40万円 | 50〜100万円 |
| 人件費(運動員・事務員) | 0円(ボランティア中心) | 15〜30万円 | 40〜70万円 |
| 選挙用品・はがき準備など | 5万円 | 10〜20万円 | 20〜30万円 |
| 告示前の政治活動(活動報告・ポスター・Web・動画) | 10〜20万円 | 50〜100万円 | 150万円〜 |
| 手出しの合計(供託金を除く) | 約15〜25万円 | 約95〜190万円 | 約260万円〜 |
実際の例として、2023年の豊中市議選では、選挙運動費用収支報告の支出総額が100万〜300万円程度の候補者が多く見られました(数万円に抑えた候補者もいます)(公費負担分の扱いは自治体の公表資料で確認が必要です)。
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Q. 公費負担は自動的に受けられますか?
A. いいえ。業者と契約し、選管に届出をして、得票が没収点以上であることが条件です。手続きは選管の説明会で確認しましょう。
Q. 選挙運動費用に上限はありますか?
A. あります。市議選の法定上限は「有権者数÷定数×501円+220万円」で計算されます(上限あり)。選挙運動期間の支出が対象です。
Q. 告示前のポスターやホームページも選挙費用ですか?
A. 告示前の政治活動の費用は、選挙運動費用とは別に、政治団体(後援会など)の支出として扱うのが一般的です。
※2026年10月時点の情報です。公費負担の対象と上限額は自治体の条例で異なります。必ず各選挙管理委員会の手引でご確認ください。
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