「辻立ちを始めたいけれど、どこに立てばいいのかわからない」。立候補を考えている方から、よくいただく相談です。
首都圏なら駅前、地方なら交差点や交通量の多い道路沿い、と言われることが多いものの、同じ駅でもどの出口に立つか、何時に立つかで、会える人の数も層も大きく変わります。また、ふだんの政治活動と選挙期間中とでは、立てる時間や守るルールも変わります。
この記事では、辻立ちの「場所選び」に絞って、地域の特徴に合わせた選び方、時間帯による使い分け、告示前と選挙期間中の違い、立ってはいけない場所の注意点を整理します。
※2026年10月時点の情報です。駅や道路の使い方は、施設の管理者や所轄の警察署によって扱いが異なります。必ず事前に確認してください。
はじめての立候補なら、まずこの1冊
「政治経験なしの新人候補として戦う 地方選挙ハンドブック」(全18ページ)を無料で配布しています。知名度ゼロから名前を知ってもらう方法や、駅頭・辻立ちと演説の注意点もまとめています。
場所選びの出発点は、「選挙区の有権者が、ふだんどこを通っているか」を知ることです。次のような資料で、ある程度つかめます。
| 見るもの | わかること |
|---|---|
| 駅の乗降客数 | 鉄道会社や自治体が公表している。駅ごとの規模を比べられる |
| 道路の交通量 | 国土交通省の道路交通センサスなどで、主な道路の交通量がわかる |
| 人口の分布 | 町丁目ごとの人口や年齢構成。住宅地と働く人が集まる地域を分けて見る |
| 前回の選挙結果 | 開票区ごとの結果を公表している自治体もある。自分が手薄になりそうな地域を把握する |
ただし、人が多い場所が、必ずしも良い場所とは限りません。選挙区の外から来て通り過ぎる人ばかりの場所では、どれだけ人が多くても有権者に会えません。大きなターミナル駅より、住宅地に近い駅のほうが、地元の有権者に会えることも多くあります。
電車で通勤・通学する人が多い首都圏や都市部では、駅が辻立ちの中心になります。同じ駅でも、次の点で選び方が変わります。
駅前で活動するときは、まず立つ場所の管理者を確認しましょう。駅の構内など鉄道施設の中では、選挙運動のための演説や連呼は公職選挙法で禁止されています。駅前広場や駅ビルの敷地も、鉄道会社の土地か、自治体の土地か、公道かによって利用の条件が変わります。
車で移動する人が多い地方では、駅前に人がほとんどいないことも珍しくありません。その場合は、車の流れに合わせて場所を選びます。
交差点では、ドライバーの視線を無理に集めようとしないことも大切です。車道にはみ出さない、信号の見通しをさえぎらない、角の歩道をふさがないといった安全面への配慮を最優先にしてください。
スーパーやショッピングセンター、ホームセンターの前は、買い物客が多く、地方でも人に会いやすい場所です。ただし、出入口の前や駐車場は多くの場合、私有地です。
商店街で活動するときは、商店会や周りのお店に一声かけておくと、その後の活動もしやすくなります。ただし、それで道路使用許可や土地の管理者の承諾に代わるわけではありません。また、不特定多数の人や車が通る私有地は、道路交通法の対象になる場合もあります。
同じ場所でも、時間帯によって会える人が変わります。会いたい層に合わせて、場所と時間を組み合わせましょう。
| 時間帯 | 場所の例 | 会いやすい人 |
|---|---|---|
| 朝の通勤時間 | 駅の外の、歩く人の流れが見える場所、通勤路の交差点 | 働く世代。毎日同じ人が通るので、継続すると覚えてもらいやすい |
| 昼前後 | スーパーの近く(許可を得て)、商店街 | 子育て世代、高齢の方 |
| 夕方 | 住宅地側の駅出口、学校帰りの通学路付近 | 帰宅する人、保護者 |
| 休日 | 商業施設の周辺、イベントのある場所の近く | 平日に会えない層 |
大切なのは、同じ場所・同じ時間帯に、日を変えて繰り返し立つことです。週に1回でも決まった曜日に立ち続けると、「いつもいる人」として名前と顔を覚えてもらえます。毎回場所を変えるより、軸にする場所を2〜3か所決め、ほかの場所は時々回る形が続けやすい方法です。なお、選挙期間中の街頭演説では、長い時間同じ場所にとどまらないよう努めることが求められています。
組織のない無所属の方は、こちらも
「完全無所属で戦う 地方選挙ハンドブック」(全17ページ)では、党の旗がない無所属の方の駅頭の旗の考え方や、政治活動と選挙運動の違いをまとめています。
辻立ちのルールは、ふだんの政治活動と、選挙運動ができる期間とで変わります。選挙運動ができるのは、告示日に立候補の届出が受理されてから投票日の前日までです。告示日でも、届出が受理される前は選挙運動はできません。
| 告示前(政治活動) | 選挙期間中(選挙運動) | |
|---|---|---|
| できること | 政策や活動の報告、あいさつ | 投票の呼びかけを含む選挙運動 |
| 時間 | 公職選挙法上の一律の制限はない(迷惑にならない時間に) | 街頭演説は午前8時から午後8時まで |
| 旗・のぼり | 氏名や氏名を類推させる表示のある、のぼり・看板・たすきなどは原則として使えない | 選挙管理委員会が交付する標旗(候補者1人1本)を掲げる。候補者名入りの看板やのぼりを演説場所に自由に置くことはできない |
| 人数 | 特に定めはない | 街頭演説に従事する人は、候補者本人と法定の運転手を除いて15人以内。所定の腕章をつける |
| 場所 | 施設の管理者や道路のルールに従う | 駅構内など鉄道施設、国や自治体の建物(公営住宅などの例外あり)、病院・診療所などでは演説・連呼が禁止。学校・病院などの周辺では静穏を保つよう努める |
告示前の辻立ちは、あくまで政治活動です。「○○選挙で一票を」といった投票の呼びかけは事前運動に当たるおそれがあり、投票をお願いする言葉がなくても、時期や内容、やり方によっては事前運動と判断されることがあります。
選挙期間中は、朝の通勤時間に駅前に立っても、午前8時までは街頭演説ができません。街頭演説は、演説する人がその場にとどまり、標旗を掲げて行います。また、辻立ちでビラを配る場合は、告示前の政治活動用の印刷物と、選挙期間中の選挙運動用ビラとでルールが異なります。選挙運動用ビラには規格・枚数・配り方の制限があるので、事前に確認しましょう。
旗やのぼりのルールは「辻立ちの旗は何が使える?」、演説全般のルールは「街頭演説・辻立ちのルール」でくわしく解説しています。
朝の駅頭で足を止めてもらう工夫は「駅頭・辻立ちで有権者の足を止める極意」も参考にしてください。
「目立つ場所」と「安全かつ適法に活動できる場所」は、必ずしも同じではありません。両方を満たす場所を選びましょう。
新人候補の準備を1冊に
「政治経験なしの新人候補として戦う 地方選挙ハンドブック」では、告示までのロードマップや、告示前と選挙期間中でできることの早見表をまとめています。フォームにご入力いただくと、その場ですぐにダウンロードできます。
A. 毎日である必要はありません。週に1〜2回でも、決まった場所と時間に続けるほうが、顔と名前を覚えてもらいやすくなります。
A. 地元の有権者に会いたいなら、住宅地に近い駅のほうが効率がよいことも多くあります。大きな駅は選挙区外の人も多いので、乗降客数だけで決めないようにしましょう。
A. 通勤時間帯に交通量の多い交差点や、幹線道路の沿道が中心になります。信号待ちで車が止まる場所を選ぶと、ドライバーに顔を見てもらえます。
A. 出入口や駐車場は多くの場合私有地なので、施設の管理者の許可が必要です。無断で立つのはやめましょう。
A. 選挙期間中の街頭演説は午前8時から午後8時までです。それより前の時間に演説をすることはできません。午前8時前でも、演説や連呼に当たらないあいさつまで一律に禁止されるわけではありませんが、やり方には注意してください。
A. 選挙運動のための演説・連呼は、駅構内など鉄道施設の中では公職選挙法で禁止されています。許可の有無にかかわらずできません。告示前の政治活動でも、鉄道会社のルールで構内での活動は認められないことがほとんどです。
辻立ちで会える人の数には限りがあります。その日の活動をSNSやショート動画で発信すると、その場にいなかった人にも名前と政策を届けられます。株式会社ハレフルは、公職選挙法を踏まえ、つど選挙管理委員会にも確認しながら、政治活動の時期から選挙期間中まで、SNS・ショート動画の撮影・編集をお手伝いしています。
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