「選挙権は18歳からになったけど、選挙運動を手伝えるのは20歳から?」という質問をよく受けます。結論から言うと、選挙運動も18歳からできます。2016年施行の法改正で、選挙権の年齢と一緒に、選挙運動ができる年齢も20歳から18歳に引き下げられました。
一方で、18歳未満の人は選挙運動ができない、立候補できる年齢(被選挙権)は変わっていないなど、年齢によって「できること」が違います。2027年の統一地方選では、大学生や高校3年生がボランティアに来てくれることもあるでしょう。この記事では、候補者・陣営の立場から、年齢ごとにできること・できないことを整理します。
※2026年10月時点の情報です。個別の判断は、必ず各選管に確認してください。
| 18歳未満 | 18歳以上 | |
|---|---|---|
| 投票(選挙権) | × | ○(国籍・住所などの要件を満たす場合) |
| 選挙運動(投票のお願い、SNSでの投稿・拡散など) | × | ○(期間や方法などの法令上の制限あり) |
| 選挙運動に付随する単純な作業(はがきの封入・発送、物の運搬など) | ○(機械的な作業に限る) | ○ |
| 選挙運動ではない政治活動(政策の勉強会への参加など) | ○(活動内容による。学校のルールに注意) | ○ |
| 立候補(被選挙権) | × | 25歳以上または30歳以上(選挙の種類による) |
「20歳から」というのは、2016年より前のルールです。今は選挙権も選挙運動も、年齢の基準は18歳以上です。ただし、選挙権には国籍や住所などの要件もあるため、選挙権がある人と選挙運動ができる人の範囲は完全には一致しません。
選挙運動と政治活動の違い:選挙運動とは、特定の選挙で特定の候補者を当選させるために投票を働きかける活動です。一方、政策の勉強会への参加や政治についての意見の発信など、選挙運動に当たらない政治活動には、公職選挙法上の一律の年齢制限はありません。ただし、告示前でも、実質的に特定の選挙での投票を呼びかける活動は、禁止されている事前運動に当たるおそれがあります。
2015年の公職選挙法改正(2016年6月19日施行)で、選挙権の年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられました。これに合わせて、選挙運動を禁止される人も「20歳未満の者」から「18歳未満の者」に変わりました(公職選挙法137条の2)。
また、民法の成年年齢も2022年4月から18歳になりました。そのため今は「未成年=18歳未満」で、18歳・19歳の人は選挙運動について大人と同じ扱いです。
なお、被選挙権(立候補できる年齢)は引き下げられていません。2027年の統一地方選でいえば、市区町村議会議員・都道府県議会議員・市区町村長は25歳以上、都道府県知事は30歳以上(いずれも選挙期日を基準に判断)です。ただし、立候補には年齢以外の条件もあります。地方議会議員には、その自治体の議会議員の選挙権が必要です(市区町村長・知事は、立候補先に住んでいること自体は要件ではありません)。立候補の条件は立候補する条件の記事で詳しく解説しています。
年齢は「年齢計算ニ関スル法律」などに従って計算されます。選挙では、次のような扱いになります。
高校生や大学生のボランティアを受け入れる際は、本人の生年月日を確認し、選挙運動ができる年齢に達しているかを確かめましょう。18歳未満の人が参加する場合は、選挙運動ではなく単純な作業に限定し、担当業務をあらかじめ決めておくと安心です。生年月日などの個人情報は適切に管理してください。
18歳未満の人は選挙運動ができず、候補者や陣営が18歳未満の人を選挙運動に使うことも禁止されています。ただし、選挙運動に当たらない単純な作業(労務)は手伝ってもらえます。
| 手伝ってもらえる? | |
|---|---|
| はがき・ビラの封入や発送作業、物の運搬 | ○(機械的な作業) |
| 選挙事務所の片付け・設営 | ○ |
| 街頭でビラを配る、投票をお願いする | × |
| 街頭演説で原稿を読み上げる | ×(選挙運動に当たるおそれ) |
| 選挙カーに乗って手を振る | ×(無言でも選挙運動に当たるおそれ) |
| 特定の候補者への投票を呼びかけるSNS投稿や、選挙運動に当たる投稿の拡散 | × |
18歳未満の人が政治について一般的な意見を発信することまで一律に禁止されているわけではありませんが、内容や時期によって選挙運動に当たる場合があります。陣営から18歳未満の人に応援投稿や拡散を頼むことは避けましょう。
なお、選挙運動に付随する単純な作業については、法律で認められた範囲で報酬を支払える場合があります。ただし、18歳未満の人を選挙運動員として活動させることはできません。報酬の支払いには金額などの制限があるため、事前に選管に確認してください。
候補者が18歳未満の子どもを連れて街頭に立つこと自体は禁止されていません。ただし、子どもが有権者に投票を呼びかけたり、選挙カーから手を振ったり、街頭演説の原稿を読み上げたりする行為は、選挙運動に当たる場合があります。候補者自身の子どもであっても同様です。
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18歳・19歳の人は選挙運動ができますが、大人と同じく選挙違反をすれば処罰の対象になります。若いボランティアに参加してもらうときは、陣営から最低限のルールを伝えておきましょう。
18歳・19歳は民法上は成人ですが、少年法では「特定少年」として扱われます。ただし、事件の内容によっては刑事処分の対象になり、18歳・19歳だからといって選挙違反の責任が軽くなるわけではありません。
選挙運動ではない政治活動(政策の勉強会への参加、意見の発信など)には、公職選挙法上の年齢制限はありません。ただし、高校生の場合は、学校の校則や教育委員会の方針で、校内での政治活動や、放課後・休日の活動の届出などのルールが決められていることがあります。
18歳になった高校3年生が選挙運動を手伝う場合も、学校のルールを確認してもらうよう声をかけておくと安心です。
2026年9月25日、東京地裁は、18歳未満の人が自分の意思で選挙運動をすることまで一律に禁止する規定(公職選挙法137条の2第1項)は憲法違反とする判決を出しました。一方、候補者などが18歳未満の人を選挙運動に使うことを禁止する規定(同2項)は合憲と判断しています。また、国の賠償責任は認められず、原告の請求は棄却されています。
原告側は10月7日に控訴しており、判決は確定していません。この違憲判断によって法律が改正されたわけではないため、現時点では137条の2の規定は残っており、18歳未満の人に選挙運動を頼まないようにしてください。なお、2027年3月施行の公職選挙法改正は電子メールなどの規制を見直すもので、18歳未満の選挙運動を解禁するものではありません。2027年の統一地方選までに法改正があるかどうか、今後の動きに注意しておきましょう。
Q. 19歳の大学生に、選挙カーのウグイスをお願いできますか?
A. できます。18歳以上なら選挙運動ができ、車上運動員として届け出れば、法律で決められた範囲で報酬を支払うこともできます。
Q. 17歳の子どもに、事務所で電話かけを手伝ってもらえますか?
A. 投票をお願いする電話は選挙運動に当たるため、18歳未満の人にはお願いできません。はがきの封入など、選挙運動に当たらない作業にとどめましょう。
Q. 告示前の政治活動なら、高校生にビラ配りを手伝ってもらえますか?
A. 告示前の政治活動用のビラ(政策の紹介など)の配布は、選挙運動ではないため公職選挙法上の年齢制限はありません。ただし、内容が実質的に投票のお願い(事前運動)になっていないか、学校のルールにも注意が必要です。
Q. 立候補は何歳からできますか?
A. 市区町村議会議員・都道府県議会議員・市区町村長は25歳以上、都道府県知事は30歳以上です。選挙権のように18歳には引き下げられていません。
※2026年10月時点の情報です。具体的な判断は各選管にご確認ください。
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