投票日が終わると、当選しても落選しても、選挙の「後片付け」が待っています。ポスターの撤去、選挙運動費用収支報告書の提出、公費負担や供託金の手続き、支援者へのお礼……。期限があるものも多く、ここで手を抜くと、あとで選管から問い合わせが来たり、思わぬ違反につながったりします。
この記事では、2027年の統一地方選を想定して、投票日の翌日から1か月の間に、当選・落選にかかわらずやるべきことを時期別のチェックリストにまとめます。当選した人が議員として最初に動くことは、当選したらまず何をするのかの記事をご覧ください。
※2026年10月時点の情報です。期限や手続きは選挙の種類・自治体によって異なる場合があります。必ず各選管の手引で確認してください。
| 時期 | やること | 担当の目安 |
|---|---|---|
| 事務所の廃止時・選挙カーの使用終了時など | 選挙事務所・選挙カーなどの看板・ポスターをただちに撤去(公営掲示場のポスターは選管の案内に従う) | 候補者・陣営スタッフ |
| 投票日の翌日〜数日 | 借りた選挙カー・拡声機・事務所備品の返却、事務所の片付け、名簿など個人情報の整理 | 事務局長 |
| 投票日後すみやかに(収支報告書の提出前を目安に) | 報酬を払える事務員・車上運動員などへの支払い、選挙後に届く請求書・未払いの確認と精算、領収書の回収 | 出納責任者 |
| 選管・業者の案内に従って | 公費負担(選挙公営)の手続き | 候補者・出納責任者 |
| 必要書類が整い次第(供託物が没収されない場合) | 供託金の返還(取戻し)手続き | 候補者 |
| 投票日から15日以内 | 選挙運動費用収支報告書の提出(提出後の新たな収支は7日以内に追加報告) | 出納責任者 |
| 選挙後すぐ〜 | 支援者へのお礼(ネット・自筆の手紙) | 候補者 |
| 1か月以内を目安に | 後援会を続けるか解散するかの決定(解散する場合は解散日から30日以内に届出)、政治活動の再開 | 候補者・後援会 |
以下、それぞれのポイントを順に見ていきます。
候補者側で掲示場のポスターをはがす場合は、ポスターを貼ったときのチーム分けと地図をそのまま使うと効率よく回れます。撤去が遅れると、地域の人からの印象も悪くなるので、早めに片付けましょう。
選挙事務所を閉じる際は、支援者名簿やボランティアの連絡先、紙の申込書、パソコン内のデータなども整理し、個人情報を適切に保管・廃棄しましょう。
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選挙運動に関する収入(寄附など)と支出は、出納責任者が選挙運動費用収支報告書にまとめ、投票日から15日以内に選管へ提出します。当選・落選にかかわらず提出が必要です。告示前や投票日後に発生した選挙運動関係の収支も対象になり得ます。報告書には、領収書などの写しや、記載内容が真実であることを誓う宣誓書などを添付します。
報告書は後で閲覧の対象にもなります。数字が合わないと選管から確認が入るので、選挙期間中から領収書を日付順に整理しておくと、選挙後が楽になります。書き方は出納責任者とは?の記事、報告書の違いは2つの収支報告書の記事で解説しています。
なお、選挙運動費用収支報告書と、後援会などの政治団体が毎年出す政治資金収支報告書は別の書類です。選挙の前から政治活動をしていた人は、どちらの会計で処理するかを出納責任者と政治団体の会計責任者で確認しましょう。
ポスター作成や選挙カーの費用などは、選挙公営(公費負担)の対象になっている場合があります。多くの場合、候補者が業者と契約した内容に基づき、選挙後に業者が自治体へ請求する仕組みで、候補者は必要な書類(確認書など)を業者に渡します。対象・上限額・請求の期限や書類は自治体によって異なるので、選管の手引と業者の案内を確認しましょう。特に、供託物が没収される得票だった場合は、公費負担を受けられない制度になっているのが一般的なので注意が必要です。
供託金は、得票が没収点に届いていれば返還されます。選管(選挙長)から供託原因消滅証明書などの必要書類を受け取り、供託した法務局で取戻しの手続きをします。書類を受け取れる時期は選管の案内に従ってください。取戻しの権利には時効もあるので、早めに済ませましょう。詳しくは供託金の手続きガイドをご覧ください。
選挙が終わった後も、当選・落選のあいさつには公職選挙法の制限があります。次のようなことはできません。
一方、ホームページ・SNS・メールなどインターネットを使ったお礼のあいさつはできます。結果の報告と感謝は、まずSNSで丁寧に発信しましょう。ただし、インターネット上で認められるあいさつ文であっても、印刷して配布・郵送することは原則として認められません(自筆の信書など、法律で定められた例外はあります)。なお、制限されるのは「当選・落選に関するあいさつ」で、選挙後の通常の政治活動(活動報告や政策の発信など)が禁止されるわけではありません。スタッフやボランティアへの謝礼として安易に金品を渡すことも避けてください(法令で認められた報酬や、適法な契約に基づく支払いは別です)。
| 当選した場合 | 落選した場合 | |
|---|---|---|
| 選管からの手続き | 当選の告知と当選証書の付与。議会事務局からの連絡に対応 | 当選証書の付与などはないが、収支報告書・公費負担・供託金などの共通手続きは必要 |
| その他の届出 | 自治体によっては、条例に基づく資産等報告書の提出などが必要な場合がある | — |
| 後援会 | 議員の後援会として活動を継続 | 次の選挙に向けて継続するか、解散するかを決める |
| 発信 | 議員としての活動報告に切り替える | 得票分析とお礼を伝え、政治活動を続けるかどうかを表明 |
落選した場合も、得票は次の選挙への財産です。投票区ごとの得票が公表されていれば、どの地域で支持が強かったかを確認しておきましょう。後援会を続ける場合は、毎年の政治資金収支報告書の提出を忘れずに。解散する場合は、原則として解散日から30日以内に解散の届出と、解散日までの収支報告書の提出が必要です。代表者や会計責任者などが変わる場合は変更の届出も必要です。
Q. 落選しても選挙運動費用収支報告書は出さないといけませんか?
A. はい。当選・落選にかかわらず、出納責任者が投票日から15日以内に提出する必要があります。
Q. 当選のお祝いとして現金や品物をいただいた場合、受け取ってもいいですか?
A. 誰から、誰に、どのような目的で贈られるかによって扱いが異なります。政治家個人への政治活動に関する金銭・有価証券の寄附は原則として禁止され、後援会などの政治団体への寄附にも寄附者や金額の制限があります(企業・団体からの寄附は特に厳しく制限)。受け取る前に、政治資金規正法や公職選挙法に触れないか確認しましょう。お返しとして選挙区内の人に金品を贈ることは、寄附の禁止にあたるおそれがあります。
Q. 選挙用に作ったホームページやSNSは消すべきですか?
A. 消す必要はありません。選挙後はお礼のあいさつや、その後の活動報告に使えます。
※2026年10月時点の情報です。期限や手続きは各選管の手引でご確認ください。
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