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ただ立っているだけでは意味がない?「駅頭・辻立ち」で有権者の足を止め名前を覚えてもらうための極意

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はじめに:その「孤独」は、誰もが通る道

政治活動を志した初日。
勇気を出して「本人」と書かれたタスキをかけ、駅前や交差点に立ってみたものの、反応は冷ややかで通勤客は足早に通り過ぎ、視線すら合わない。配ろうとしたレポートも受け取ってもらえず、「こんなことをして本当に意味があるのだろうか?」と自問してしまう。

多くの新人候補が、活動開始からわずか数日でこの「孤独」と「疑念」に襲われます。しかし、ここではっきりと断言したいと思います。間違いなく意味はあります。ただし、「正しいやり方」で続けた場合に限りの話となります。

実際、現職で強さを誇る議員たちは例外なくこの「孤独な駅頭」を数年単位で積み重ねてきました。駅頭・辻立ち(街頭演説)とは、お金のかからない最大のメディアであり、同時に候補者の「根性」と「人柄」を有権者が直接審査するいわばオーディション会場でもあります。

この記事では、通行人の「風景」で終わる存在から脱し、記憶に残る政治家になるための駅頭・辻立ちの極意を、現場目線で徹底的に解説していきます。

目次


 1.【場所と時間】人間時計になるまで立てるか

駅頭活動の基本戦略は、「定点観測」に尽きます。
「今日はA駅、明日はB駅」と場所を変えるのは、すでに知名度のある現職や有名人の戦い方です。新人候補がまず目指すべきは「自分のホームグラウンド」を作ることにあります。

重要なのは、
「毎週〇曜日の朝は、あの人がいる」
という状態を地域の人々の生活リズムの中に刷り込むことです。

通勤・通学をする有権者は、毎日ほぼ同じ時間に、同じルートを通ります。最初は完全に風景の一部として無視されますが、1ヶ月、3ヶ月、半年と同じ場所に立ち続けることで、少しずつ認識が変わっていきます。

「今日もいるな」
「雨の日も雪の日も立っている」
「この人、本気だな」

そして最終的には、有権者があなたの姿を見て「もう7時半か、急がないと」と、時計代わりにするレベルまで定着してはじめて票につながる信頼が生まれます。まずは最低でも3ヶ月、同じ場所に立ち続けてください。

ポジション取りの鉄則

しかし注意は必要で、まず動線の邪魔になる位置は絶対に避けましょう。改札の目の前や点字ブロックの上に立った瞬間、「邪魔な人」という印象がつき確実にマイナスのイメージになります。

理想は、通行の妨げにはならないものの、必ず視界に入る場所です。動線の少し横で、なおかつ朝日が顔に当たる位置(逆光にならない場所)を選ぶことで表情もはっきり伝わります。

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2.【装備と視覚】3秒で伝わらない情報は「ゴミ」と同じ

駅を行き交う人々や、交差点を通過するドライバーがあなたを見る時間はほんの数秒です。その一瞬で「誰が」「何のために」立っているのかが伝わらなければ存在しないのと同じです。

「本人タスキ」の魔力

名前を連呼するよりも、名前が大きく書かれたタスキを見せる方がはるかに効果的です。特に地方の車社会における辻立ちでは、ドライバーは音声をほとんど聞いておらず、見ているのは「タスキの文字」と「候補者の表情」だけだと考えてください。

文字は遠くからでも読める太さが必須です。細い明朝体はお洒落ですが実戦では不向きで、極太のゴシック体や筆文字が適しています。また、イメージカラーと文字色のコントラスト(明度差)をはっきりさせることで、視認性は大きく向上します。

「のぼり旗」は盾であり看板である

一人で立つ場合、背後や横に「のぼり旗(氏名やスローガン入り)」を立てることは必須です。これは看板としての役割だけでなく、「私は怪しい者ではなく政治活動中です」という証明にもなり、候補者自身のメンタルを守る盾にもなります。

のぼり旗のデザインも、タスキ同様に視認性が命です。「〇〇市を〇〇な未来へ導くための」といった長文は読まれません。「〇〇(名前)」「子育て支援」「現役世代」など、ひと目で刺さる単語を大きく配置しましょう。

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3.【振る舞い】スマホを見た瞬間にイメージダウン

駅頭活動で最もやってはいけない行為。それはスマホを見ながら立つことです。
原稿を確認したい気持ちや、手持ち無沙汰でSNSを見たくなる気持ちは分かりますが、有権者の目には「やる気がない」「遊んでいる」としか映りません。

アイコンタクトと「0.5秒の会釈」

マイクで話していなくても構いません。大切なのは通行人の目を見て軽く微笑み、0.5秒だけ会釈をすることです。目が合った瞬間に「おはようございます」と声をかけるだけで、好感度は一気に上がります。

雨の日は「ボーナスタイム」

「今日は雨だから休もうかな」
そう思った瞬間こそ最大のチャンスで、その理由はライバル候補も休みたくなるからです。カッパを着てずぶ濡れになりながら立つ姿は、理屈抜きに人の心を打ちます。「雨の中ご苦労さん」と声をかけてくれる有権者が現れることも珍しくありません。悪天候は、新人が現職を追い抜くためのボーナスタイムだと心得ましょう。

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4. 【配布物】レポート(ビラ)を受け取ってもらう技術

政治活動用ビラの受け取り率は、通常1〜3%程度と言われています。100人に配って数枚という世界です。しかし、配り方ひとつでこの確率は確実に変わってくるので意識してみましょう。

「空間」に差し出す

通行人の目の前に突き出すと人は防衛本能で避けます。
レポートを手渡すコツは、相手がこれから通るであろう空間、つまりおへそのあたりにレポートをそっと「置いておく」イメージです。受け取られなくても手を引っ込めず、そのまま次の人へのアプローチに移行します。

「受け取らないこと」への罪悪感を相手に抱かせない配慮ができるようになるとベテランの域と言えるでしょう。

タイトルで惹きつける

レポートの表面に何が書いてあるかも重要です。「〇〇通信 vol.3」では弱く、「〇〇市の税金が危ない」「給食費無償化実現へ」といった、思わず目が止まる見出しが見えるように折り方を工夫しましょう。

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5.【ルール】道路交通法とマナーの境界線

最後に、活動を継続するために最も重要なルールをご説明します。
駅前や歩道での活動は、内容によっては警察署への道路使用許可が必要になります。特に、のぼり旗などの用具を地面に設置する場合は注意が必要です。

「他の人もやっているから」と無許可で大掛かりなセットを組むと、通報によって警察が来て活動中止に追い込まれることがあります。

その観点から特に以下の点に注意して活動をするようにしましょう。

・点字ブロックは絶対に踏まない塞がない。
・住宅街の駅や早朝はマイクを使わず地声で挨拶する。
・他の候補者が先に立っていた場合は挨拶をして共存する。

誰かとトラブっていたり言い合いをしているような姿を有権者に見せることほど、マイナスなことはありません。

まとめ:駅頭は「自分」という商品を売る営業活動

駅頭・辻立ちは、単なる挨拶運動や根性論ではありません。
自分という存在を有権者の日常の風景に溶け込ませ、少しずつ信頼と認知を積み上げていく極めて戦略的なマーケティング活動です。

毎日同じ場所に立ち続けることで「いつもいる人」として記憶され、遠くからでも名前が読める装備によって「誰なのか」を瞬時に理解してもらい、スマホを見ず雨の日も立ち続ける姿勢によって「本気度」と「人柄」が伝わっていきます。

これらは一朝一夕で結果が出るものではありません。しかし続けた人だけが、通行人の無関心な視線をやがて応援の声へと変えていくことができます。孤独に感じる駅頭の時間こそが、選挙戦で最も大きな差を生む「仕込みの期間」なのです。

「当選・再選へGO!」では、街頭・駅頭活動に欠かせない各種ツールの制作を通じて、候補者の毎朝の努力を、確実な“知名度”と“信頼”に変えるお手伝いをしています。ただ立つだけで終わらせず、立った分だけ支持につながる駅頭活動を実現したい方は、ぜひ一度ご相談ください。

▼ご相談やお問い合わせはお気軽にお寄せください。

 

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