立候補予定者説明会に出ると、選管から分厚い届出書類のセットを渡されます。候補者届出書、宣誓書、供託証明書、出納責任者選任届……と名前が並び、初めての人は「どれが何のための書類なのか」で戸惑うはずです。
実際の記入方法は、選管の担当者が説明会や事前審査でていねいに案内してくれます。ただ、それぞれの書類が何のためにあり、誰が・いつまでに用意するのかを先に知っておくと、準備の段取りがぐっと楽になります。
この記事では、2027年4月の統一地方選挙(市議・区議・県議選など)を想定して、選管から渡される主な届出書類を1つずつ解説します。
※2026年10月時点の情報です。書類の名称・様式・期限・必要な添付書類は、選挙の種類や選管によって異なります。必ず、立候補予定者説明会の資料と所管の選管の案内に従ってください。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 告示の数か月前 | 立候補予定者説明会に出席し、書類一式と手引を受け取る |
| 告示前(選管が指定する事前審査の期間) | 書類を作成し、事前審査で選管にチェックしてもらう |
| 告示日(原則8時30分〜17時) | 立候補の届出(本書類を提出)。同時に提出する届出も多い。届出が受理されるまで選挙運動はできない |
| 選挙期間中 | 異動届、個人演説会の申出などを必要に応じて提出 |
| 選挙後 | 選挙運動費用収支報告書の提出(追加報告を含む)、公費負担の請求手続など |
事前審査は、告示日の届出をスムーズにするために、書類に不備がないかを事前に確認してもらう手続です。ここで不備を解消しておくと、告示日の正式な届出を円滑に進めやすくなります。ただし、事前審査を通っても届出の受理が保証されるわけではなく、告示日の正式な届出は必ず必要です。届出の受付順を決める抽選など、当日の運用は選管の案内に従いましょう。
立候補の意思を届け出る中心となる書類です。氏名、本籍、住所、生年月日、職業、所属党派などを記入します。本人が届け出る「本人届出」のほか、推薦届出という方法もあります。
被選挙権があること(年齢・住所要件など)や、法律で立候補できない立場にないこと、ほかの選挙に重ねて立候補していないことなどを本人が宣誓する書類です。内容に偽りがあると罰則の対象になります。
立候補にあたって法務局に供託金を納めた証明です。供託の手続は事前に法務局で行うため、日程に余裕をもって準備しましょう。得票が一定数(没収点)に届かないと没収されます。
| 選挙の種類 | 供託金の額 |
|---|---|
| 都道府県議会議員 | 60万円 |
| 政令指定都市の議会議員 | 50万円 |
| 一般の市議会議員・特別区(区)議会議員 | 30万円 |
| 町村議会議員 | 15万円 |
日本国籍や氏名・生年月日などを確認するための書類です。取得期限(例:届出前3か月以内)が決まっていることが多いので、取る時期に注意しましょう。地方選挙では住所要件の確認のため、住民票の写しなどを求められる場合もあります。
候補者届出書に政党その他の政治団体の名称を所属党派として記載する場合に必要な、法定の所属証明書です。後援会などに所属しているだけで、その名称を自由に所属党派として書けるわけではありません。無所属の場合は不要です。党本部や支部での発行に時間がかかることがあるので、早めに依頼しましょう。
戸籍上の名前ではなく、ふだん使っている名前(旧姓など)で選挙を戦いたい場合に、通称として認めてもらうための申請です。旧姓や芸名などの通称を使う場合は、一般に通用していることを示す資料が求められます。戸籍上の氏名をひらがな・カタカナで表記する場合などは取扱いが異なるため、選管に確認しましょう。
選管によっては、候補者の経歴を記入する書類や、代理人が届け出る場合の証明書の提出を求められます。
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選挙運動に関するお金の出し入れを管理する出納責任者を選任したときは、直ちに届け出ます。本人の承諾書などが必要で、選挙によっては選任者との間の誓約書なども求められます。出納責任者が職務を行えなくなった場合の職務代行の届出もあわせて確認しましょう。出納責任者は選挙後の収支報告書の提出まで担う重要な役割なので、信頼できる人に早めに依頼しましょう。
選挙事務所を設置したら直ちに届け出ます。移転したときは異動届が必要です。県議選では都道府県選管と所在地の市区町村選管の両方に出す場合があるなど、提出先や部数が選挙によって異なるので確認しましょう。
選挙公報に掲載する原稿と写真を提出します。提出期限が告示日当日の夕方までなど短いことが多いので、原稿は事前審査の時点で仕上げておきましょう。
選挙運動のために使用する事務員、車上運動員(ウグイス)、手話通訳者など、法令で報酬の支給が認められている人について、所定の届出をする書類です。報酬を払える期間・人数・金額には制限があり、届出前に従事した分にさかのぼって払うことはできません。一般の選挙運動員に報酬を払える制度ではない点に注意しましょう。届出なく報酬を払うと違法な報酬支給となり、買収罪などの問題が生じるおそれがあります。
選挙会・開票の場で立ち会う人を、候補者が届け出ることができます。届け出る場合は、本人の承諾書なども必要です。届出期限は原則として選挙期日の3日前までです。届出先や受付終了時刻は選管の案内で確認しましょう。
選管からの連絡を受ける場所や担当者を届け出る書類が用意されている選挙もあります。選挙事務所の所在地と同じとは限らないので、連絡先を決めておきましょう。
選挙運動用ビラを配る場合の届出や、選挙運動用はがきを郵便局で受け取るための証明書などがあります。枚数や手続は選挙の種類で異なります。
立候補の届出が受理されると、選管から選挙運動に必要な表示物や証明書類が交付されます。使える場面が法律で決まっているので、一覧にして紛失しないよう管理しましょう。
選挙運動用自動車、ポスター、ビラなどの費用の一部を公費で負担してもらう制度(選挙公営)を使う場合は、業者との有償契約に加えて、契約届出書、確認申請書、使用・作成の証明書など、いくつかの段階の手続が必要です。選挙後は、原則として契約した業者が請求書と必要書類を提出します。
| 対象 | 主な書類の例 |
|---|---|
| 選挙運動用自動車 | 契約届出書、自動車燃料代確認申請書(該当する場合)、自動車使用証明書(車両・燃料・運転手の別) |
| ポスター | 作成の契約届出書、作成枚数確認申請書(候補者が申請)→ 確認書(選管が交付) |
| ビラ | 作成の契約届出書、作成枚数確認申請書(候補者が申請)→ 確認書(選管が交付) |
公費負担の対象と上限額は自治体の条例で決まり、得票が供託金没収点に届かないと公費負担を受けられない点にも注意が必要です。提出の時期(事前審査の対象か、告示日以降か)は選管によって異なります。
| 書類 | タイミングの目安 |
|---|---|
| 出納責任者・選挙事務所の異動届 | 変更があったら直ちに |
| 個人演説会の開催申出書(公営施設) | 原則として開催予定日の2日前まで |
| 立候補辞退届 | 届出期間中に限る |
| 選挙運動費用収支報告書 | 初回分は選挙の期日から15日以内(出納責任者が提出)。その後に新たな収支が生じたら、その日から7日以内に追加報告 |
| 公費負担の請求関係書類 | 選挙後、業者が請求するための確認書類など |
選挙運動費用収支報告書は、出納責任者が日々の帳簿と領収書をもとに、選管の指定様式で作ります。領収書の写しなどの添付書類も必要です。選挙期間中から記録を整理しておくことが、選挙後の負担を減らすいちばんの近道です。
選管の担当者は、記入方法や不明点に寄り添って案内してくれます。分からないことは早めに聞くのが、いちばん確実な方法です。
Q. 立候補予定者説明会に出なくても立候補できますか?
A. 出席は立候補の要件ではありませんが、最新の書類や手続の説明を受けられる大切な機会です。代理人でもよいので出席しましょう。
Q. 事前審査を受けないとどうなりますか?
A. 事前審査は義務ではありませんが、告示日に不備が見つかると届出に時間がかかります。受けておくのが安心です。
Q. 書類は本人が出さないといけませんか?
A. 代理人による届出も認められています。その場合は代理人証明書などが必要です。
Q. 書類の様式はネットで手に入りますか?
A. 選管のホームページで公開している場合もありますが、選挙ごとに様式が更新されることがあります。説明会で配られる最新のものを使いましょう。
※2026年10月時点の情報です。書類の名称・様式・期限は選挙の種類や選管によって異なります。必ず所管の選管の案内をご確認ください。
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