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市議・区議の後援会への寄附は控除の対象外?|寄附金控除の対象になる公職・ならない公職(政令市は例外)と寄附者への伝え方

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目次


はじめに

「後援会に寄附すると、税金が戻るんですよね?」と支援者に聞かれて、答えに詰まったことはありませんか。実は、後援会への寄附が寄附金控除の対象になるかどうかは、立候補する公職によって違います。

結論から言うと、一般の市の市議・市長、東京23区の区議・区長、町村議・町村長の後援会への寄附は、控除の対象外です。一方、県議・知事や政令指定都市の市議・市長の後援会への寄附は、一定の条件を満たせば対象になります。

この記事では、対象になる公職・ならない公職の違いと、寄附してくれる人に誤解させないための説明のしかたを整理します。控除のしくみそのものは寄附金控除のしくみの記事で解説しています。

※2026年10月時点の情報です。税制上の扱いは、国税庁・総務省・各選管の案内で必ず最新の内容をご確認ください。個別の税務判断は税務署や税理士にご相談ください。

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まず「公職」とは:市議も町議も公職です

公職選挙法でいう「公職」には、国会議員、都道府県知事・都道府県議会議員、市区町村長・市区町村議会議員が含まれます。市議や町議も、まちがいなく公職です。

ところが、所得税の寄附金控除(租税特別措置法の「政治活動に関する寄附をした場合の寄附金控除の特例」)で後援会への寄附が対象になる公職は、その一部に限られています。「公職かどうか」ではなく「どの公職か」で分かれる点が、誤解の多いところです。

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後援会への寄附が控除の対象になる公職・ならない公職

個人が後援会にする政治活動に関する寄附で、ほかの要件を満たす場合に、公職ごとの扱いは次のとおりです。

公職その後援会への寄附の控除
衆議院議員・参議院議員対象になりうる
都道府県知事・都道府県議会議員対象になりうる
政令指定都市の市長・市議会議員対象になりうる
一般の市長・市議会議員対象外
特別区(東京23区)の区長・区議会議員対象外
町村長・町村議会議員対象外

2027年の統一地方選で考えると、たとえば県議選に出る人の後援会は対象になりうる一方、同じ地域の一般市の市議選・東京23区の区議選に出る人の後援会は対象外です。政令指定都市(横浜市、大阪市、福岡市など)の市議選は対象になりえます。

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対象の公職でも、ほかに条件がある

対象の公職であっても、次のような条件を満たす必要があります。

  • 後援会の届出・必要書類:後援会の政治団体としての届出、候補者との推薦関係、被推薦書などの必要書類を確認する(提出の要否・時期は所管の選管で確認)
  • 新人は寄附の時期に注意:現職でない人の後援会への寄附は、本人が対象の公職に実際に立候補した年とその前年の寄附に限られる。立候補の表明だけでは足りず、正式な立候補の届出が必要で、立候補しなかった場合は対象にならない
  • 収支報告書への明細記載:控除を受ける寄附は、年間5万円以下でも寄附者ごとの明細を収支報告書に記載し、選管の確認を受けた「寄附金(税額)控除のための書類」を寄附者に渡す必要がある
  • 対象外の寄附:政治資金規正法に違反する寄附や、寄附者に特別の利益が及ぶもの(本人が自分の後援会に寄附する場合など)は対象外。なお2026年1月1日以後は、候補者が自ら代表を務める一定の選挙区単位の政党支部(特定政党支部)への本人の寄附も控除の対象外になっている
  • 会費・パーティー券は別:後援会の年会費や政治資金パーティーの参加費は、寄附金に当たらないため控除の対象外
  • 所得控除のみ:後援会への寄附で使えるのは所得控除。寄附額の一定割合が税額から引かれる税額控除(政党等寄附金特別控除)は、政党・政治資金団体への寄附が対象
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一般市議・東京23区議の陣営が寄附者に伝えること

控除の対象外であることを伝えずに寄附を受けると、後で「税金が戻ると思っていた」というトラブルになりかねません。寄附を受ける前に、ひと言伝えておくのが誠実な対応です。

伝え方の例文

  • 「ありがとうございます。当後援会への寄附は、税制上の寄附金控除の対象にはなりませんので、あらかじめご了承ください」
  • 「確定申告で控除を受けられる寄附ではありませんが、いただいたご支援は活動報告でしっかりお伝えしていきます」

受付票・案内文も見直す

  • 受付票の「寄附金控除のための書類を希望します」欄は、一般市議・東京23区議の後援会では外すか、「対象外」と明記する
  • ホームページやチラシで寄附を募るときは、「税金が戻る」と受け取られる表現を使わない
  • 県議選の候補予定者と合同で活動する場合も、どちらの後援会への寄附かを明確にする

なお、控除の対象外の後援会にも政治資金規正法は適用されます。寄附の上限や禁止事項は、寄附者(個人か企業・団体か)や寄附先によって異なります。氏名・住所・職業の記録などは寄附の受け付け方の記事を参考にしてください。

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「控除を受けたい」と言われたら

寄附者が控除を強く希望する場合でも、一般市議・特別区議など、対象外の公職の後援会への寄附を控除の対象にする方法はありません。控除の対象になるのは、政党・政治資金団体や、対象の公職の後援会などへの寄附です。

ただし、控除を受けるために、実質的には候補者本人のための寄附を、形だけ別の団体経由にするような扱いは避けましょう。寄附先の団体の目的や、寄附者に特別の利益が及ばないかなど、ルールに沿っていることが前提です。迷ったら、所管の選管や税務署に確認してください。

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寄附金控除以外のルールは、公職の種類を問わない

控除の対象は一部の公職に限られますが、公職選挙法の寄附の禁止(政治家から選挙区内の人への寄附、199条の2)は、市議・町議を含むすべての公職の候補者等にかかります。現職だけでなく、立候補予定者も対象です。後援団体から選挙区内の人への寄附にも、199条の5などの規制があります。これらは「後援会が寄附を受け取る」場合のルールとは別なので、区別して確認しましょう。お祝い・香典・手土産などのルールは、贈ったりごちそうしたりしてはいけない理由の記事もご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 区議会議員の後援会への寄附は控除できますか?
A. 特別区(東京23区)の区議会議員の後援会への寄附は、寄附金控除の対象外です。

Q. 政令指定都市の市議選なら対象ですか?
A. 政令指定都市の市長・市議会議員は対象の公職に含まれます。政治団体としての届出状況、必要書類、収支報告書への記載などの要件を満たす必要があります。

Q. 市議から県議にくら替えする予定です。今の後援会への寄附はどうなりますか?
A. 県議選の候補者の後援会としての要件や寄附の時期によって扱いが変わります。後援会の届出内容(推薦する公職など)も含めて、所管の選管に確認しましょう。

Q. 控除の対象外なら、寄附者の住所・職業の記録も不要ですか?
A. いいえ。会計帳簿への記載は控除の有無にかかわらず必要です。年間5万円を超える寄附者は収支報告書に氏名・住所・職業などが記載され、公表されます。受付票で職業などを聞く理由として、寄附者にも伝えておくと親切です。

Q. 控除の対象外の後援会が寄附を受け取るのは違法ですか?
A. いいえ。控除の対象外であることと、寄附そのものが禁止されていることは別です。政治資金規正法などのルールを守れば、個人から後援会への寄附を受けることはできます。

※2026年10月時点の情報です。税制上の扱いは国税庁・各選管の案内で必ずご確認ください。

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