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後援会の寄附金控除・資金管理団体・被推薦書とは?県議選に初めて立候補する人のための政治資金の基本

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目次

はじめに

県議選などに初めて立候補しようと考えたとき、多くの方がつまずくのが「お金の仕組み」です。後援会、政治団体、資金管理団体、出納責任者……。似たような言葉が多く、「支援者からの寄附はどこで受ければいいの?」「寄附した人の税金は戻るの?」と迷う方は少なくありません。

この記事では、初めて立候補する方とそのご家族、後援会のスタッフに向けて、後援会・政治団体・寄附・選挙資金の基本を、できるだけやさしい言葉で整理します。

※2026年10月時点の情報です。制度の細かな運用は、都道府県の選挙管理委員会や税務署によって案内が異なる場合があります。実際の手続きの前に、必ず確認してください。

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後援会への寄附と寄附金控除の基本

後援会に寄附をしてくれた支援者は、条件を満たせば、確定申告で寄附金控除(所得控除)を受けられます。控除によって所得税が軽くなるため、支援者にとっても寄附しやすくなります。ただし、寄附した金額がそのまま戻るわけではなく、軽くなる額は寄附した人の所得や税額によって変わります。

対象になる公職は限られている

後援会への寄附が控除の対象になるのは、次の公職(現職と、これからなろうとする人)を推薦・支持する後援会です。ただし、後援会であれば自動的に対象になるわけではなく、下の条件を満たす必要があります。

  • 衆議院議員・参議院議員
  • 都道府県知事・都道府県議会議員
  • 政令指定都市の市長・市議会議員

県議選は対象です。一方、政令指定都市以外の市区町村長・議員の後援会への寄附は、原則として対象外です。

所得控除と税額控除の違い

寄附先受けられる控除
後援会(上の公職の後援会)所得控除のみ
政党・政治資金団体所得控除か税額控除のどちらかを選べる

税額控除(政党等寄附金特別控除)を選べるのは、政党・政治資金団体への寄附だけです。後援会への寄附は所得控除になります。

控除を受けるための主な条件

  • 後援会を政治団体として届け出ている:都道府県の選挙管理委員会に届け出た政治団体であること。届出が受理される前は、寄附を受けたり経費を払ったりできません
  • 被推薦書を出している:後援会が推薦・支持する本人が同意したことを示す「被推薦書」を、届出に添付します(次の章で説明)
  • 収支報告書で報告されている:寄附が政治資金収支報告書で報告され、寄附者の氏名・住所などが記載されていること
  • 実際に立候補する:これから立候補する人の後援会の場合、対象になるのは実際に立候補した年とその前年の寄附です。たとえば2027年4月の県議選に初めて立候補する場合、2026年と2027年の寄附が対象になり得ます。立候補しなかった場合は対象になりません(現職議員の後援会は別の扱いです)
  • 純粋な寄附である:パーティー券の購入代金や後援会の会費は「寄附」ではないため、対象外です。寄附した人に特別な見返りがある場合も対象外です
  • 法律の上限を守っている:個人が同じ政治団体に寄附できるのは、原則として年間150万円までです

立候補届出の前に受けた寄附は、立候補した事実が確認されてから控除の書類の手続きが進むなど、時期によって流れが変わります。たとえば2026年中の寄附は、2026年分の確定申告の時点では立候補が確定していないため、立候補したあとに「更正の請求」などで控除を受ける流れになることがあります。具体的な扱いは、都道府県の選挙管理委員会と税務署に確認が必要です。控除の全体像は「政治献金も税金が戻る?寄附金控除のしくみ」でも解説しています。

被推薦書とは?推薦書との違い

「被推薦書」は、推薦される本人が「この後援会に推薦・支持されることに同意します」と示す書類です。

  • 推薦書:後援会などが「この人を推薦します」と示す書類。推薦する側が出します
  • 被推薦書:推薦される本人が、その推薦を受けることに同意する書類。推薦される側(立候補予定者)が書きます

知事・県議会議員などの後援会が寄附金控除の対象になるには、被推薦書を添付して政治団体の届出(または異動届)をする必要があります。書式や記入のしかたは都道府県によって異なるので、選挙管理委員会の手引きを確認しましょう。

なお、被推薦書の提出と、次に説明する「資金管理団体」の指定は別の手続きです。寄附金控除のために、資金管理団体の指定が必要なわけではありません。

資金管理団体とは?

資金管理団体は、公職の候補者(立候補予定者を含む)が、自分が代表を務める政治団体の中から、1つだけ指定できる団体です。指定したら、7日以内に届け出ます(政治資金規正法第19条)。

寄附金控除の条件ではない

よく誤解されますが、資金管理団体に指定していなくても、条件を満たした後援会への寄附は控除の対象になります。指定するかどうかは、お金の管理のしかたの選択肢の一つです。

指定するメリット

  • 本人からの寄附に150万円の個別制限がかからない:本人が自分の資金管理団体に寄附する場合は、同じ団体への年間150万円の制限が適用されません(ただし、自己資金からの寄附には、原則として年間1,000万円の総額の制限があります)
  • 選挙前の一定期間も本人から寄附できる:任期満了前の一定期間は、本人から自分の後援会への寄附が制限されますが、資金管理団体はその対象外です
  • お金の流れが1か所にまとまる:支援者からの寄附や本人の資金を1つの団体で管理でき、帳簿も整理しやすくなります

なお、本人が自分の資金管理団体や後援会に寄附しても、本人の寄附金控除の対象にはなりません。

後援会と政策団体の役割分担

本人が代表を務める団体として、後援会とは別に、政策を研究・発信する「政策主張団体」を作る方もいます。この場合、役割を分けておくと混乱しません。

  • 支援者からの寄附は後援会で受ける:条件を満たせば、寄附した人が控除を受けられます
  • 政策主張団体への寄附は、多くの場合控除の対象外:控除の対象になるかは団体の性質で決まります。地方議員の政策主張団体は、対象にならない場合が多いので、設立時に確認しましょう
  • 両方を本人が代表なら:後援会を資金管理団体に指定するのが一般的です。寄附を受ける団体と、お金を管理する団体を一致させられます

団体の種類の違いは「後援会・政治団体・任意団体・資金管理団体の違い」もご覧ください。

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選挙前と選挙本番のお金の違い

選挙前(政治活動)選挙本番(選挙運動)
期間告示日の前日まで告示日から投票日の前日まで(準備費を含む)
お金を出すところ後援会などの各政治団体出納責任者が管理
報告政治資金収支報告書(毎年)選挙運動費用収支報告書(選挙ごと)

後援会から候補者へお金を移す流れ

選挙運動に後援会のお金を使う場合は、後援会から候補者へ「選挙運動に関する寄附」として移し、出納責任者が受け取る方法が一般的です。後援会側は政治資金収支報告書に、候補者側は選挙運動費用収支報告書に、それぞれ記載します。

候補者個人への寄附は原則禁止

候補者(立候補予定者)個人に、政治活動のためのお金を寄附することは、選挙運動に関するものを除いて禁止されています。支援者からの寄附は後援会で受け、選挙運動のためのお金は出納責任者が受け取る、と分けて考えましょう。なお、選挙運動に関して候補者が受けた寄附で、選挙運動費用収支報告書で報告されたものも、条件を満たせば寄附金控除の対象になります。

出納責任者と口座の分け方

  • 出納責任者:選挙運動のお金の出入りを管理し、選挙運動費用収支報告書を出す人です。候補者本人が兼ねることもできます
  • 別の人を立てる場合:信頼できる人を選びましょう。出納責任者が買収などの罪で刑に処せられると、連座制により候補者の当選が無効になることがあります
  • 口座:選挙専用の口座を作ることは法律上の義務ではありません。ただし、私的なお金や後援会のお金と混ざらないよう、分けておくことを強くおすすめします

報告書の違いは「政治資金収支報告書と選挙運動費用収支報告書の違い」で解説しています。

政党の公認を受けたときのお金

  • 公認料・選挙資金:選挙のための公認料や選挙資金は、一般に候補者への「選挙運動に関する寄附」として出納責任者が受け取り、選挙運動費用収支報告書に記載します。ただし、党本部・県連・支部のどこから、誰に、どんな目的で出されるかで処理が変わるため、受け取る前に党に確認しましょう
  • 平時の活動資金:政党から後援会(資金管理団体)へ、政治団体への寄附として受けます。政党からの寄附は、個人の寄附のような年間の上限がかからない扱いです。支払う側と受け取る側の会計処理を一致させましょう
  • 候補者個人への寄附は禁止に:2026年1月から、政党が候補者個人に政治活動(選挙運動を除く)のために金銭を寄附することは禁止されました
  • 党の運用を確認する:公認料の金額や時期、受け取り方は党(県連)の運用によって異なります。必ず確認しましょう

公認料の考え方は「そもそも「公認料」とは?その金額は?」もご覧ください。

政党支部の支部長になったら

公認と同時に、党の選挙区の支部長になるケースもあります。支部は政党の一部として届出と収支報告が必要になり、管理する団体が1つ増えることになります。

  • 企業・団体からの寄附:支部は政党の一部なので、企業・団体からの寄附を受けられます。後援会は受けられません
  • 本人から支部への寄附:2026年1月1日以後、候補者が自分が代表を務める選挙区単位の支部(特定政党支部)に寄附しても、寄附金控除の対象外になりました。支部への寄附がすべて対象外になったわけではなく、寄附する人と支部の関係がポイントです

4つの財布の役割分担

全員が4つの財布を持つ必要はありません。無所属の新人なら、まず「後援会」と「選挙運動費用」の2つを分けることが基本です。政党の支部長になった場合や、政策団体を作った場合に、財布が増えていきます。

財布主なお金の入り口主な使い道報告
政党支部党からの交付金、企業・団体や個人の寄附党の地域活動政治資金収支報告書
後援会(資金管理団体)支援者の寄附、本人の資金日常の政治活動、事務所、広報物政治資金収支報告書
政策主張団体会費・寄附(控除対象外)政策の研究・発信政治資金収支報告書
選挙運動費用後援会・政党・支援者からの選挙運動に関する寄附、自己資金告示後の選挙運動選挙運動費用収支報告書

団体が増えるほど、どの財布から何を払うかが混ざりやすくなります。団体ごとに会計担当者を決め、口座と帳簿を分けることが、あとで報告書を作るときのトラブルを防ぐいちばんの近道です。

立候補予定者のチェックリスト

  • 後援会を政治団体として届け出た(組織した日から7日以内)
  • 被推薦書を添付した(寄附金控除の対象にする場合)
  • 資金管理団体を指定するか決めた
  • 団体ごとに会計担当者・口座・帳簿を分けた
  • 寄附を受けたら、金額にかかわらず寄附者の氏名・住所・金額・日付を帳簿に記録している
  • パーティー券・会費と寄附を分けて管理している
  • 政党の公認を受ける場合、公認料の受け取り方を党に確認した
  • 支部長になる場合、支部の届出と会計の体制を確認した
  • 出納責任者を決めた(本人が兼ねるか、別の人に頼むか)
  • 選挙運動用の口座を分けた
  • 寄附者に「寄附金(税額)控除のための書類」を渡す流れを確認した

まとめ

初めての立候補では、「後援会で受けるお金」「選挙運動で使うお金」「政党支部のお金」を分けて考えることが大切です。県議選は後援会への寄附が控除の対象になるため、届出と被推薦書、収支報告をきちんと整えておくことが、支援者の信頼にもつながります。

詳細は、都道府県の選挙管理委員会と税務署に必ず確認してください。会計や税務の具体的な判断は、税理士など専門家に相談することをおすすめします。

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お金の仕組みがわかったら、次は「どの活動に、いつ、いくら使うか」を考える段階です。

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