立候補を考え始めると、「後援会」「政治団体」「任意団体」「資金管理団体」という言葉が次々に出てきます。似た言葉ですが、届出が必要かどうか、寄附を受けられるかどうかが違い、取り違えると思わぬ法律違反につながることもあります。
この記事では、4つの団体の違いと使い分けを、立候補予定者・新人議員の目線で整理しました。
| 団体 | 届出 | 寄附を受ける | 収支報告 | 主な使い方 |
|---|---|---|---|---|
| 政治団体(一般) | 必要(組織から7日以内) | 届出後なら可 | 毎年必要 | 政策研究会、支援団体など |
| 後援会 | 必要(政治団体として) | 届出後なら可 | 毎年必要 | 特定の候補者・議員の支援、会員の組織化 |
| 資金管理団体 | 政治団体の届出+指定の届出 | 可(候補者の政治資金の受け皿) | 毎年必要 | 候補者のための政治資金を受け、管理する |
| 任意団体 | なし | 政治活動のための寄附は受けられない | なし | 政治目的ではない地域活動、趣味の会など |
政治資金規正法では、政治上の主義や施策を推進・支持・反対すること、または特定の公職の候補者を推薦・支持・反対することを、本来の目的とする団体や主な活動として続けて行う団体を「政治団体」としています。
政治団体は、組織した日から7日以内に、主たる事務所がある都道府県の選挙管理委員会(活動範囲が2つ以上の都道府県にわたる場合などは総務大臣)に設立届を出さなければなりません。届出をするまでは、寄附を受けることもお金を使うこともできません。
政治団体には、政党、政治資金団体(政党のために資金を集める団体)、それ以外の政治団体があり、後援会は「それ以外の政治団体」に入ります。
後援会は、特定の候補者や議員の当選を支援し、政策を広めることを目的とした政治団体です。法律上の名称ではなく、政治団体の一種として届け出ます。
作り方の手順は「後援会の作り方」で詳しく解説しています。
資金管理団体は、公職の候補者(候補者になろうとする人や現職を含む)が、自分が代表を務める政治団体の中から、自分のために政治資金を受け取る団体として1つだけ指定するものです。
候補者個人は、選挙運動に関するものを除いて、政治活動に関する寄附を個人として受けることが原則としてできません。そのため、支援者からの寄附は資金管理団体で受け、その団体のお金として管理するのが基本の形になります。
任意団体は、法人格も法律上の届出もない団体の一般的な呼び方です。町内会の有志の会や趣味のサークルなど、政治目的でない団体であれば任意団体のままで問題ありません。
注意したいのは、「後援会のような活動をしているのに、政治団体の届出をしていない」状態です。政治団体に当たる活動をしているのに届出をせずに寄附を受けたりお金を使ったりすると、政治資金規正法違反になるおそれがあります。
こうしたケースは「うっかり」起きやすいので、支援の受け皿を作る段階で届出を済ませておきましょう。
| 段階 | やること |
|---|---|
| 出馬を考え始めた | 個人として政治活動(SNS、地域活動、勉強会への参加)を始める |
| 支援者が集まり始めた | 後援会を組織し、7日以内に政治団体として届け出る |
| 寄附を受けるようになった | 後援会を資金管理団体に指定し、寄附はその団体で受ける |
| 毎年 | 翌年3月末までに政治資金収支報告書を提出する |
個人が寄附できる金額には上限があります。政党・政治資金団体への寄附は年間2,000万円まで、それ以外の政治団体(後援会や資金管理団体を含む)への寄附は年間合計1,000万円まで、同じ政治団体への寄附は年間150万円までです。また、会社や労働組合などの団体は、政党・政治資金団体以外の政治団体に寄附できません。
寄附をした人が税金の控除を受けられるかどうかは、寄附先の団体の種類で変わります。詳しくは「統一地方選の準備スケジュール」とあわせて、寄附金控除の解説記事もご覧ください。
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Q. 後援会を作らずに、個人で政治活動をしてもいいですか?
A. 個人としての政治活動は自由にできます。ただし、支援者から寄附を受けたり会費を集めたりするなら、政治団体の届出が必要です。
Q. 後援会を複数作ることはできますか?
A. 地域ごと・分野ごとに複数の後援会を作ることはできます。ただし資金管理団体に指定できるのは1つだけです。
Q. 届出はどこに出しますか?
A. 主たる事務所がある都道府県の選挙管理委員会が基本です。様式や添付書類は各選挙管理委員会のホームページで確認できます。
※具体的な手続きや判断は、届出先の選挙管理委員会にご確認ください。