「後援会に寄附したら、ふるさと納税みたいに税金が戻るって本当?」——立候補予定者や議員の事務所には、支援者からこんな質問がよく届きます。
結論から言うと、政治団体や一部の候補者への寄附は、確定申告をすれば所得税が控除されます。ただし、ふるさと納税とは仕組みがかなり違い、「年末調整ではできない」「控除用の書類が届くのが翌年の春以降になることが多い」「市区町村議員の候補者への寄附は対象外になりやすい」といった注意点があります。
この記事では、寄附する人と寄附を集める陣営の両方の目線で、政治献金の寄附金控除をまとめました。
個人が政党や政治団体などに「政治活動に関する寄附」をした場合、一定の条件を満たせば、所得税の計算で控除を受けられます。寄附した翌年に確定申告をして、払いすぎた所得税を戻してもらう仕組みです。
控除の方法は「所得控除」と「税額控除」の2種類があり、どちらか一方を選びます(併用はできません)。
| 方法 | 計算のしかた | 上限 | 使える寄附先 |
|---|---|---|---|
| 所得控除(寄附金控除) | (寄附額-2,000円)を所得から差し引く | 総所得金額等の40% | 対象となる寄附先すべて |
| 税額控除(政党等寄附金特別控除) | (寄附額-2,000円)×30%を所得税から直接差し引く | 所得税額の25% | 政党・政治資金団体への寄附のみ |
所得控除は「課税される所得を減らす」方法なので、戻ってくる金額は税率によって変わります。税額控除は「税金そのものを減らす」方法なので、多くの人にとっては税額控除のほうが有利になりやすいとされています。ただし税額控除が使えるのは政党と政治資金団体への寄附だけです。
「2,000円を超えた分が戻ってくる」という点はふるさと納税と似ていますが、それ以外はかなり違います。
| 項目 | 政治献金の寄附金控除 | ふるさと納税 |
|---|---|---|
| 手続き | 確定申告が必要(年末調整では不可) | ワンストップ特例なら確定申告不要 |
| 控除される税金 | 所得税 | 所得税と住民税 |
| お礼の品 | なし(渡せば買収や寄附禁止の問題になる) | 返礼品あり |
| 必要な書類 | 選挙管理委員会等の確認印がある「寄附金(税額)控除のための書類」 | 自治体の受領証明書(特例なら不要) |
| 書類が届く時期 | 翌年の春以降になることが多い | 寄附後まもなく |
会社員の方は「年末調整で済むと思っていた」というケースが多いので、寄附を受ける側が最初にきちんと伝えておくことが大切です。
対象になるかどうかは寄附先の団体の種類によって決まります。寄附を呼びかける側は、自分の団体が控除の対象かどうかを事前に選挙管理委員会で確認しておきましょう。
| 時期 | 寄附する人 | 寄附を受けた政治団体 |
|---|---|---|
| 寄附した年 | 寄附をする。領収書を受け取って保管する | 寄附者の氏名・住所・金額などを記録する |
| 翌年3月末まで | ― | 政治資金収支報告書を提出する |
| 報告書の提出後 | ― | 「寄附金(税額)控除のための書類」を作り、選挙管理委員会(または総務大臣)の確認印をもらって寄附者に渡す |
| 翌年の確定申告 | 確定申告書に書類を添えて、住所地の税務署に提出する | ― |
控除用の書類は、政治団体が収支報告書を出したあとでないと確認印がもらえません。収支報告書の提出期限は翌年3月末なので、確定申告の期限(3月15日ごろ)に書類が間に合わないことがよくあります。
その場合は、次のどちらかで対応できます。
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Q. 会社員ですが、年末調整で控除を受けられますか?
A. 受けられません。政治献金の寄附金控除は確定申告でのみ受けられます。
Q. 住民税も安くなりますか?
A. 政治献金の寄附金控除は所得税が対象で、住民税は原則として対象外です。
Q. 市議会議員の後援会に寄附しました。控除は受けられますか?
A. 政令指定都市の市議会議員の後援会であれば対象になり得ますが、それ以外の市の議員の後援会は原則として対象外です。寄附先の団体に確認してください。
Q. 書類をなくしてしまいました。
A. 寄附先の政治団体に再発行を相談してください。還付申告は5年間できるので、あわてずに手続きできます。
※税額や控除の可否は個別の状況によって異なります。詳しくは税務署・税理士、または寄附先の選挙管理委員会にご確認ください。