「選挙といえば、名前を連呼して走る白いバン」
多くの人がイメージする選挙の象徴ですが、いざ自分が候補者になると、この選挙カー(街宣車)の手配ほど面倒で、かつ重要なミッションはありません。車両の確保、看板の設置、音響機材の調整、警察への許可申請、ウグイス嬢(車上運動員)の手配、そしてドライバーの確保。
これらを告示日の朝までに完璧に整えなければなりません。
また、選挙カーは「地域を走る巨大な看板」です。
ボロボロのスピーカーから割れた音が流れていたり、看板のデザインがダサかったりすれば、あなたのイメージは台無しです。今回は、初めて選挙に挑む新人候補者のために、選挙カー準備の「レンタルvs自前」の判断基準から、公費負担の仕組み、そして票を減らさないための運行マナーまでを徹底解説します。
選挙カーを用意するには、大きく分けて「専門業者からのレンタル」と「自家用車などの持ち込み(改造)」の2つのパターンがあります。
これは選挙カー専門のレンタカー業者に依頼するパターンです。それぞれのメリットやデメリットを書いていきたいと思います。
●メリット
音響機材(アンプ・スピーカー)、車上の看板用ラック(櫓)、配線などが全てセットアップ済み。故障リスクが低い。
●デメリット
選挙シーズンは予約が殺到するため、半年前でも予約が埋まっていることがある。費用が高額になりがち。
●結論
ノウハウのない新人は、トラブル防止のためレンタルが無難です。ただし、「予約は今すぐ」入れてください。
こちらは知人の車や自分のワゴン車に、機材と看板を取り付けるパターンです。こちらもそれぞれメリットとデメリットを書いていきます。
●メリット
車両代が浮くため、安上がりに見える。
●デメリット
機材(スピーカー等)の取り付け工事が必要。車検対応や、「設備外積載許可」(車の屋根に物を載せる許可)を警察から取る際の手続きが非常に煩雑。選挙期間中にアンプが故障する等のトラブルが多い。
●注意
普段乗り慣れている車でも、重い機材と人を満載して低速走行するため、バッテリー上がりやオーバーヒートのリスクが高まります。
街中を走る選挙カーを見て、「今の誰?」と思ったことはありませんか?
時速20〜30kmで走る車を見て、有権者が認識できる情報はごくわずかです。
●名前は極太ゴシック
明朝体や細い文字は読めません。
●写真は不要?
側面の看板に顔写真を入れる候補もいますが、遠目には判別しにくいことが多いです。それよりも「名前」と「イメージカラー」を全面に押し出す方が認知されます。
●照明(ライティング)
夜間の活動(20時まで)を考えると、看板を内側から照らす照明(行灯)やLEDライトは必須です。暗闇から声だけ聞こえる車は「不審車」でしかありません。
レンタカーの場合、車体に直接塗装することはできません。
そこで活躍するのが、大判のマグネットシートです。これなら、選挙期間が終わればすぐに剥がして返却でき、コストも抑えられます。
多くの自治体(市議選以上など)では、選挙カーにかかる費用の一部を税金で負担してくれる「公費負担制度」があります。これを使わない手はありません。それでは公費負担について詳しく書いていきましょう。
1.自動車の借上料
レンタカー代(1日あたりの上限あり)
2.燃料代
ガソリン代(上限あり)
3.運転手の報酬
専属ドライバーへの日当(上限あり)
●看板の制作費
車に取り付ける看板や装飾の費用は、通常公費の対象外(ポスター制作費とは別枠)になることが多いです。
●ウグイス嬢の報酬
車上運動員への報酬は、全額自己負担です(上限1日15,000円以内)
●超過分
高級なレンタカーを借りて公費の上限を超えた場合、差額は自己負担です。
※自治体によってルールが異なるため、必ず立候補予定者説明会で配られる「手引き」を確認してください。契約書の締結など、事前の手続きを忘れると一銭も出ません。
選挙カーは「うるさい」というだけで嫌われるリスクがあります。しかし、運用次第で「配慮のできる候補者」という評価に変えることも可能です。
音を止めるべき場所(学校・病院)
公職選挙法上の義務(学校、病院、診療所等の周辺での静穏保持)はもちろんですが、それ以上に「空気」を読んでください。
●学校・保育園
お昼寝の時間や授業中に大音量で通過するのは厳禁。「〇〇小学校周辺のため、マイクをオフにして走行します」と一言アナウンスを入れて音を切るのが、プロのテクニックです。
●住宅街の夜
19時を過ぎて住宅街を大音量で連呼するのは、逆効果(騒音公害)になりかねません。音量を絞るか、駅前などの商業エリアに移動しましょう。
ウグイス嬢や候補者が窓から身を乗り出して手を振る(ハコ乗り)行為は、道路交通法違反であり、非常に危険です。警察に見つかれば切符を切られますし、何より有権者から「ルールを守れない人」と見なされます。車内では全員シートベルト着用が基本です。
「とりあえず市内を一周してこい!」とドライバーに指示するのは、ガソリンの無駄です。
効率的に票を集めるためのルート戦略が必要です。
●重点地区を回る
自分の地盤(住んでいる地域)や、ポスターを多く貼らせてもらった地域を重点的に回ります。「あ、また来てくれた」と思わせるためです。
●時間帯で分ける
午前・昼:主婦層や高齢者が多い住宅街、スーパー周辺。
夕方・夜:現役世代が帰ってくる駅周辺、団地、幹線道路沿い。
●「流し」と「スポット」
走りながら名前を連呼する「流し」だけでなく、公園やスーパーの前で車を止め、短く演説をする「スポット演説(街頭演説)」を組み合わせるのが主流です。
(※走行中の演説は禁止されています。走行中は「連呼行為」のみ可能です)
選挙カーの運用には、候補者だけでなく、ドライバー、ウグイス嬢、そしてルートを決める参謀役の連携が不可欠です。以下にそれぞれ重要な部分を書き出してみました。
● 早めに車両と機材を確保する。
● 公費負担のルールを熟知し、コストを抑える。
● 「見やすい看板」と「聞き取りやすい音」にこだわる。
● 地域への配慮(マナー)を忘れない。
これらが噛み合った時、選挙カーはあなたの熱意を運ぶ最高のパートナーになります。当選・再選へGO!では、選挙カーに欠かせない「車載用看板のデザイン・制作」や「着脱可能なマグネットシート制作」を承っております。
・レンタルした車の白いボディを、自分のイメージカラーで埋め尽くしたい
・夜でも目立つような、反射材を使った文字にしたい
・公費負担の対象外だからこそ、コストを抑えて効果的な装飾をしたい
そんなご要望に、数多くの選挙広報を手掛けてきたプロのデザインでお応えします。走るだけで票が集まる、そんな最強の選挙カーを一緒に作り上げましょう。
▼ご相談やお問い合わせはお気軽にお寄せください。
【無料配布】誰でも容易に使える「ショート動画攻略マニュアル」※資料ダウンロード
【無料配布】誰でも容易に使える「ショート動画攻略マニュアル」※資料ダウンロード
{% module_block module...