SNSを使用した政治活動はできる？禁止事項についてわかりやすく解説
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はじめに
政治家は「人から物を受け取ってよいの？」「逆に贈ったら違反？」「寄付って全部禁止なの？」など、一般の人には分かりにくいルールがたくさんあります。
特に有名なのが、
「政治家は有権者に贈答・寄付・ごちそうをしてはいけない」
というルールです。
しかし、なぜそんな規制があるのか？
どこまでがダメで、どこからがOKなのか？
この記事では、政治初心者の方でもわかるように、制度の背景・理由・法律・具体例・注意点を丁寧に解説します。
1. なぜ政治家は「贈ったり、ごちそうしたり」してはいけないのか？
政治家の寄付や贈答行為は、公職選挙法という法律で厳しく制限されています。
最大の理由は 「買収禁止」 です。それでは詳しく説明していきましょう。
1-1. お金や物を渡すと“票の見返り”が生まれてしまう
もし政治家が有権者に贈り物を自由にできると…
* 「あの政治家は米をくれたから投票しよう」
* 「地域で宴会を開いてくれたから応援しよう」
という 票と物の交換 が起こりやすくなります。
これは民主主義の平等性を損ね、「お金を使える政治家だけが有利になる」
という不公平につながります。
1-2. お金持ちだけが勝つ“金権政治”になるのを防ぐ
たとえばある政治家が地域イベントで毎回100万円使って食事を振舞えば、経済的に苦しい候補者は太刀打ちできません。こうした「資金力による不公平」を防ぐために、政治家が有権者に対して「贈る」「ごちそうする」行為は原則全面禁止 とされています。
2. では、「もらう」ことは本当にOKなの？
ここは誤解がすごく多いですが、政治家が有権者から物を受け取るのは、原則禁止ではありません。
ただし、
* それが“選挙運動のための寄付”だと見なされる場合
* 見返りが期待されるような形の場合
* 常識を超える価値の物の場合
は 買収とされる可能性があるため、極めて要注意 です。
2-1. 「政治家がもらっても良い」のは“社会常識の範囲のみ”
— OK例 —
* 地域の方から野菜を少しお裾分けしてもらった
* 挨拶周りで缶コーヒーを1本いただく
など、常識的な価値で、選挙と無関係で、見返りを期待されていないもの。
— NG例 —
* 高価な品物
* 選挙の直前に物資提供
* 「これからも応援してね」と渡される場合
* お金を受け取る
これは 贈収賄と判断されるリスクが高く非常に危険です。
3. 公職選挙法が禁止している「寄付・贈答」行為とは？
公職選挙法199条の2により、政治家（現職・元職・候補者）は選挙区内の個人や団体に寄付してはいけません。
禁止される寄付の例：
* 地域の祭りに寄付金を出す
* 学校やスポーツ大会にスポンサーとして寄付
* 葬儀で香典を渡す
* 結婚式でご祝儀を出す
* 地元の会に差し入れをする
* イベントで飲み物やお菓子を提供する
等、日常的にやりがちなことが全部NGです。
3-2. なぜ香典・ご祝儀までダメなの？
理由は「寄付」と見なされるためです。
政治家がこうした行為をすると、「この政治家は地元に手厚い」と評価される → 対価として票が動く、という構造が発生します。
なので法律は “政治家の寄付は全禁止” と非常に厳しいのです。
4. 例外として認められる寄付もある
これらは完全にゼロではなく、公職選挙法には“例外”も定められています。
4-1. 政党や政治団体への寄付はOK
政治家が自分の所属政党へ寄付するのは合法です。
（ただし収支報告書が必須）
4-2. 議員の給与から払う「慶弔見舞金制度」は合法
国会議員には「国会議員歳費法」に基づく慶弔見舞金制度があります。
これに限り、慶事・弔事に支払うことが認められています。
ただし、政治家個人として渡すことはNGです。
4-3. 家族や親族間の贈与
政治と関係がない、純粋な親族間の行為であれば問題ないとされております。
5. 選挙期間中はさらに厳しいルールが適用される
選挙期間中（公示日以降）は、政治家の行動はさらに制限されます。
5-1. ごちそう、飲食提供は完全禁止
選挙事務所での飲食提供も極めて制限されます。
候補者が以下を行うと違法：
* 支援者に弁当を配布
* 夕食をご馳走する
* ミネラルウォーターを無料で配布
* イベントで食べ物を提供する
特に“飲食物の提供”は票買収に直結しやすいため、法律で強く禁止されています。
5-2. 運動員の飲食も原則自費
選挙スタッフに出すお茶・弁当も制限され、自治体が定めたルールに沿わないと違法になります。
6. 違反するとどうなる？罰則は非常に重い
政治家の寄付や飲食供与は禁止されていますが、「バレなきゃいい」と思う人が多かったため、罰則は非常に重いです。
6-1. 主な罰則
* 3年以下の禁錮または50万円以下の罰金
* 当選無効
* 公民権停止（選挙権・被選挙権を失う）
* 公職への就任禁止
選挙に出る資格そのものがなくなるほど強烈な罰則です。
7. 「政治家が贈ってはいけない理由」をわかりやすくまとめると？
最後に、この法律の本質を初心者向けにまとめると以下です。
✔ 政治家が贈る → “票を買う行為”につながるから禁止
✔ お金持ち政治家だけが有利になるから禁止
✔ 民主主義の公平性を守るため
✔ 有権者の自由な判断を守るため
✔ 疑惑・買収を防ぎ政治をクリーンにするため
つまり、贈り物やお金は、政治の公正性を破壊する最も危険な武器であり、それを防ぐために強く規制されているのです。
8. 「もらうこと」は本当にOKなのか？結論
最後に結論として整理すると：
● 政治家が有権者に“贈る・ごちそうする・寄付する”
→ 原則すべて違法
● 政治家が“もらう”
→ 社会常識の範囲ならOKだが、選挙目的・高額品・対価性があると違法
● 違法な寄付・贈答は当選無効レベルの重い罰則
9. まとめ：規制は「政治の公平性」を守るためにある
政治家の寄付が禁止されている最大の理由は、民主主義を守り政治をクリーンに保つためです。
* お金を使える政治家が勝つ
* 地域に物をばらまいて票を集める
* 支援者を宴会で接待して票を取る
こうした“金権政治”は、国民全体の利益ではなく「お金で票を買った人」の利益に政治が歪みます。
そのため
「贈る」行為はほぼ全面禁止
「もらう」行為も厳格に審査される
という制度になっているのです。