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LINEで頼むのはいつまで可能?選挙運動での活用法を解説

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はじめに

選挙期間中、有権者に想いを届ける手段として、SNSの中でもLINEを活用する動きが広がっています。特に、直接的で即時性の高いやりとりができる点から、候補者自身や支援者がLINEで投票依頼を行う場面も増えています。しかしながら、公職選挙法では選挙運動を行える期間や禁止行為が細かく定められており、違反すると処罰の対象となるおそれもあります。

本記事では、LINEを使った選挙運動に関して、いつまで、どのような内容なら投票依頼が可能かをわかりやすく解説します。適切なタイミングや表現を理解し、公職選挙法に抵触しない範囲で安全に情報発信を行いましょう。

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LINEが選挙運動に効果的な理由

インターネット選挙運動が解禁されて以来、LINEは多くの陣営で活用されています。なかでも、候補者本人の発信や支援者とのやりとりにLINEを用いるケースは少なくありません。

ここではまず、LINEがなぜ選挙運動に適しているのか、その理由を3つの観点から見ていきましょう。

幅広い世代で高い利用率

LINEの最大の特長は、他のSNSでは実現できないほど幅広い年代にリーチできることです。総務省が公開している「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によれば、20代から60代にかけての各年代で9割以上がLINEを利用しており、70代でも71.8%という驚異的な利用率を誇ります。

X(旧Twitter)やInstagramは主に若年層、Facebookは中高年層へのリーチに偏りがあるのが実情ですが、LINEは世代を超えて広く浸透しており、高齢層を含む有権者ともつながりやすいのが特長です。

特に地方選挙では、投票率の高い中高年層へのアプローチが選挙戦の明暗を分けるケースもあるため、60代・70代にも浸透しているLINEは、選挙運動において積極的に活用すべきツールです。

開封されやすい

選挙運動において、LINEが効果的とされるもうひとつの理由が「開封率の高さ」です。LINEヤフーの調査によると、LINE公式アカウントから送られたメッセージについて、約2割のユーザーが受信直後に、約5割が3〜6時間以内に、さらに約8割がその日のうちに開封すると回答しています。こうしたデータからも、LINEは高い開封率と即時性を兼ね備えた発信手段であることがわかります。

では、なぜこれほどまでに開封率が高いのでしょうか。最大の要因は、LINEが多くの人にとって日常生活に欠かせない、いわば生活インフラとなっていることにあります。日々の連絡手段として使い慣れているため、メッセージが届けば自然に開封する行動が促されやすくなっているのです。加えて、迷惑メールフォルダに振り分けられるような仕組みもないため、ブロックされていない限り確実に届くというのも、開封率の高さにつながっていると考えられます。

こうした特性をふまえると、告知や投票依頼など、伝えたい情報をタイムリーに届ける手段として、LINEは非常に有効です。

支援者とスムーズにつながれる

「LINEは、多くの人が日常的に利用しているアプリであり、特別な操作を覚える必要もなく、多くの人がすでに利用しているため、新たにアプリをダウンロードする手間もかかりません。そのため、他のSNSと比べて、候補者や陣営と支援者がつながりやすいのも大きな特長です。

たとえば、LINE公式アカウントを開設し、チラシや街頭演説、WEBサイトなどで「友だち追加」を呼びかければ、興味を持った有権者がその場ですぐに登録できます。メメールアドレスの入力や外部リンクを経由する必要がないため、登録への心理的ハードルが低く、継続的な情報発信にもつなげやすくなります。

日常のコミュニケーションに近い形でつながれるLINEは、支援の輪を広げるための重要な接点になります。

 

SNS1

 

LINEで投票依頼ができるのはいつまで?

LINEを使って有権者に投票を呼びかけたいと考えたとき、最も注意すべきなのは、選挙運動が認められる期間がいつからいつまでなのかという点です。公職選挙法では、選挙運動を行える期間が厳格に定められており、それ以外の時期に行うと事前運動とみなされ、違法となるおそれがあるため注意が必要です。

ここからは、選挙運動が認められている期間や事前運動と判断されないための注意点について詳しく解説します。

選挙運動ができる期間

公職選挙法では、選挙運動が認められている期間が明確に定められています。具体的には、国政選挙は公示日、地方選挙は告示日に立候補の届出をしてから、投票日前日の23時59分までが選挙運動期間です(公職選挙法第129条)。
この期間外に、特定の候補者の当選を目的として行う活動は『事前運動』とされ、違反した場合には処罰の対象となるおそれがあります。

LINEを活用した情報発信も例外ではなく、選挙運動期間外に投票を促すメッセージを送ることはできません。インターネットを通じた情報発信は時間や場所の制約を受けにくいだけに、つい意識が薄れがちな部分ですが、違反とならないよう、選挙運動期間かどうかを常に意識して運用することが重要です。

 

LINEで事前運動と判断されないための注意点

前述したように、選挙運動期間外にLINEで投票依頼を行うと、「事前運動」として違法とみなされる可能性があります。とはいえ、LINEでのやりとりすべてが禁止されているわけではなく、内容やタイミングによっては問題にならない場合もあります。

ここからは、どのような行為が問題とならず、逆にどのような発信が選挙運動と見なされるのかを具体的に確認します。

 

注意2

 

事前運動と見なされない行為

公職選挙法では、特定の候補者の当選を目的として、選挙運動期間外に行われる活動を「事前運動」として禁止しています。したがって、当選を目的とせず、選挙運動と直結しない内容は、原則として事前運動とは見なされません。

具体的には、以下のような行為は事前運動とは判断されにくいとされています。

選挙とは無関係な日常的なあいさつ
候補予定者本人による活動報告(地域行事への参加、政策勉強会の実施など)
公示日前に開催する政治活動の案内(「投票をお願いします」などの表現を含まないもの)
後援会の入会案内や政治理念の周知
LINE公式アカウントの「友だち追加」への呼びかけ
政策や実績の紹介(選挙運動と受け取られないよう中立的な表現が望ましい)

ただし、こうした発信であっても、文言やタイミングによっては選挙運動と判断される可能性があります。特に『投票』『当選』『立候補』など、選挙を直接想起させる表現は避け、あくまで政治活動の一環として情報発信を行う必要があります。

選挙運動とみなされる活動

選挙運動と見なされる代表的な例は以下の通りです。

  • 「〇〇に投票してください」など、投票を直接促すメッセージ
  • 街頭演説など、選挙に関連するイベントへの参加を呼びかける案内
  • 選挙期間中の具体的な活動内容やスケジュールの紹介
  • LINE通話機能を使った投票依頼
  • 候補予定者の名前入りで、当選を意図した内容の画像や動画を送信する行為
  • 「〇〇党候補として戦います」といった、選挙に直接関係づけた表現を含むメッセージ
  • 写真・動画・イラストなどを用いて、視覚的に投票を強く連想させるメッセージ

これらはいずれも、選挙運動として扱われるおそれが高いため、送信の時期と表現には細心の注意を払う必要があります。

選挙運動とみなされる表現

LINEでメッセージを送る際には、文面に使う「表現」にも注意が必要です。特に選挙運動とみなされやすい表現としては、以下のようなものがあります。

  • 「○○党から公認を受けました」
  • 「○○市議会議員選挙に出馬予定です」
  • 「今回の選挙、全力で勝ちにいきます」
  • 「必ず当選を目指します」
  • 「市議としてまちづくりに貢献したい」
  • 「○○市議選でのご支援をお願いします」

このような表現は選挙との関わりが強く、具体的な投票依頼が含まれていなくても、投票を促す意図があると判断される可能性があります。「そのつもりはなかった」では通用しないため、誤解を招くおそれのある言い回しは避け、慎重な言葉選びを心がけましょう。

投票日にLINEを使う際の注意点

投票日当日にもLINEを使って情報発信をしたいと考える候補者は多いかもしれませんが、投票日当日は特に注意が必要です。公職選挙法では、投票日当日の選挙運動を原則として禁止しています。以下で詳しく見ていきましょう。

投票日の投票依頼はNG

公職選挙法では投票日当日の選挙運動を一切禁止しています。そのため、投票日当日にLINEを使って「○○に投票してください」「清き一票を!」などと依頼する行為は違反にあたります。これはLINEに限った話ではなく、電話やメール、他のSNSなどすべての手段に共通するルールです。

特にLINEの予約配信機能を活用している場合は要注意です。設定をうっかり見落としたまま投票日に発信されてしまうと、選挙違反を問われかねません。必ず前日までに内容と配信日時を確認し、不要な予約は確実に解除しておきましょう。

選挙運動とみなされないメッセージはOK

投票日当日であっても、すべてのLINE送信が禁止されているわけではありません。公職選挙法では、選挙運動に該当しない表現や目的のメッセージであれば、投票日でも送信可能とされています。

たとえば「今日は投票日です。みなさん、忘れずに投票に行きましょう」「投票所の場所はこちらから確認できます」といった一般的な啓発メッセージや、「おはようございます」「今日もお疲れさまです」といった選挙とは無関係な日常連絡であれば、違反にはなりません。

ただし、注目を集めている候補者の発信は、どのような内容でも選挙と結びつけられるおそれがあるため、投票日当日は控えめな発信とするのが安全です。

LINEを使った選挙運動に関するよくある質問

LINEを使った選挙運動に関しては、「この場合はどうだろう」「誰が送ってもいいのか」など、細かいルールに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。ここでは、特に質問の多いケースについてQ&A形式で解説します。

 

Q&A2

 

公示前に候補者の家族が知人にLINEで投票依頼をするのは事前運動にあたりますか?

A.はい
公示前に候補者の家族が知人にLINEで投票を依頼する行為は、事前運動に該当します。公職選挙法では、選挙運動は公示日(または告示日)からのみ可能とされており、候補者本人に限らず、家族や支援者、有権者すべてがその規定に従う必要があります。

応援したい気持ちがあっても、公示前に「○○をよろしくお願いします」といったメッセージを送ることは違法と判断される可能性があるので注意してください。

支援者が応援メッセージをLINEで送るのは違反?

A.いいえ
選挙期間中であれば、支援者が自発的に応援メッセージをLINEで送ることは違反にはなりません。

ただし、報酬が発生する場合や未成年(18歳未満)が関与する場合は違法です。未成年は選挙運動に参加できないため、LINEでの応援も認められていません(公職選挙法第137条の2)。また、支援者に報酬を支払って応援を依頼することは、公職選挙法における買収等の罪に該当する可能性があります。

公示前にLINE公式アカウントの友だち追加を促すのは問題ない?

A.はい
問題ありません。これは、LINE公式アカウントの友だち追加は、あくまで今後の情報提供や政治活動に関する連絡の手段を確保する行為であり、それ自体が直接的な投票依頼ではないためです。

ただし、「このアカウントに登録して、私に投票を!」など、投票依頼と取られかねない表現を加えると、事前運動と判断されるリスクがあります。あくまで「活動報告をお届けするため」など、中立的な目的で呼びかけるようにしましょう。

画像付きの応援メッセージは公職選挙法に抵触する?

A.いいえ
選挙期間中であれば、画像付きの応援メッセージをLINEで送信することは問題ありません。ただし、画像の内容には十分な注意が必要です。

虚偽の情報や誹謗中傷、公職選挙法で禁じられている買収を示唆する表現が含まれている場合は違法と判断される可能性があります。文字の大きさや構成などにも注意し、不適切な要素がないか十分に確認してから発信してください。

当選後にLINEでお礼のメッセージを送っても問題ない?

A.はい
当選後にLINEでお礼のメッセージを送ることは、原則として問題ありません。選挙後の「あいさつ行為」には一定の制限がありますが、それは電話や戸別訪問、文書郵送などに限られており、LINEなどのインターネット媒体を使った発信については、現行の運用では認められています(公職選挙法第178条の解釈による)。

ただし、「引き続きご支援をお願いします」「次回もよろしくお願いします」といった将来の選挙を意識させる表現は避けてください。また、「投票してくださった皆さま、ありがとうございました」といった投票行動を特定する文言も控えるべきです。

適切な表現としては、「このたびの選挙では、多くの方に支えていただき、心より感謝申し上げます」「これからも皆さまの声を大切にし、活動に励んでまいります」など、広く支援全般に感謝を伝える内容が望ましいとされています。

まとめ

スマートフォンの普及率が高まり、日常的なコミュニケーションの手段としてLINEが幅広い世代に浸透していることから、近年、LINEを選挙戦略の一環として取り入れる候補者が増えています。選挙期間中であれば、公職選挙法の範囲内で応援メッセージや投票依頼を送ることができ、特に支援者との距離を縮めるツールとして有効です。

ただし、LINEでの投票依頼や応援メッセージには、公職選挙法による細かなルールがあるため、時期や表現には十分注意しなければなりません。候補者本人だけでなく、家族や支援者による発信についても細心の注意を払いながら、適切な方法で有権者とのコミュニケーションを図ることが求められます。

本ブログの内容を参考に、LINEを活用した選挙運動を適切かつ効果的に実践してください。

 

 

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