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TikTokでバズっても当選できない? 選挙とショート動画の現実

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はじめに

「TikTokで動画がたくさん見られた。これは手応えがある」——そう感じて選挙戦に臨んだ陣営が、思ったより票が伸びなかったという話は、近年の地方選挙で少しずつ聞かれるようになっています。

TikTokは確かに拡散力があります。うまくいけば数万回・数十万回と再生される動画を出せることもありますが、再生回数と得票数は別の話です。この記事では、選挙におけるTikTokの「本当の使い方」と、よくある誤解について整理します。

 

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目次


「見られた」と「票になった」は別物 

TikTokのアルゴリズムは、フォロワー数に関係なく動画を広く届けられる点が特徴です。知名度のない候補者でも、コンテンツが面白ければ大量に再生されることがあり、これは他のSNSにはない強みといえます。

ただし、再生されているのが誰なのかを考えてみてください。TikTokのユーザー層は10代〜20代が中心で、この世代は動画を見て候補者に好感を持つかもしれませんが、投票率という観点では他の年代に比べてはっきりと低い傾向があります。「見てくれた人が多い」と「票になった人が多い」は、選挙においては大きくズレることがあるのです。

実際に経験した陣営からは「再生数はすごかったのに、結果はそれほどでもなかった」という声が出ることがあります。TikTokが悪いのではなく、TikTokに何を期待するかを間違えていたことが原因です。

 

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若者は見るが投票には行かないこの壁 

日本の選挙における年代別投票率を見ると、20代は概ね30〜40%台にとどまることが多く、60代・70代の70〜80%台と比べると大きな開きがあります。TikTokで10万回再生されたとしても、その多くが投票に行かない層に届いている可能性があるということです。「応援しているよ」とコメントしてくれた若者が、実際に投票所に足を運んでいるかどうかは、また別の話になります。

この現実を直視すると「TikTokをやるべきではない」という結論になりそうですが、そうとも言い切れません。若者の投票率が低い理由は「政治に無関心だから」とは一概には言えず、「誰に入れていいかわからない」「候補者の情報が届いていない」という声も多く聞かれます。届けることさえできれば行動につながる可能性がある層でもあり、TikTokはその「届ける」部分で力を発揮できるツールです。ただし、届けた後に投票という行動まで結びつけるには、コンテンツの設計とリアルな活動との連携が不可欠になります。

 

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 TikTokが選挙で本当に効く「間接的なルート」 

TikTokのバズは、若者だけに届くわけではありません。話題になった動画はニュースや他のSNSプラットフォームに転載・拡散されることがあり、「TikTokで話題の候補者」という評判が、実際に投票に行く世代の目にも触れることがあります。若者がTikTokで見た動画を親や祖父母に「この人おもしろいよ」と見せるケースもあり、家族の口コミが投票行動につながることも少なくありません。

候補者の「人柄」を知ってもらうという点でも、TikTokは優れたツールです。街頭演説では伝わりにくい日常の言葉や笑顔、ユーモアがショート動画を通じて届きます。認知が広がることで、選挙カーで名前を聞いたときに「あ、知ってる人だ」という親近感につながり、それが票に結びつくこともあります。

1本の動画でファンを作るのではなく、繰り返し同じメッセージや姿勢を発信し続けることで「この人はブレない」という印象が蓄積されます。積み重ねによって信頼を育てる感覚が、選挙SNSには必要です。

 

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 TikTokでバズる動画の作り方—外部の力を借りる発想 

TikTokで再生数を伸ばすうえで、意外と見落とされているのが「出演者の持つネットワーク」です。陣営のスタッフや支援者の中に友人・知人が多い若者がいるとすれば、その人が動画に出演することで「自分の友達が出てる!」と周囲がシェアしてくれる可能性が一気に高まります。人は「知らない政治家の動画」より「知り合いが出ている動画」の方が圧倒的に反応しやすく、TikTokのバズはこうした「人のつながり」から生まれることが多いのです。

動画に登場するのは候補者だけでなくてよいということです。若いボランティアスタッフ、地元の商店主、学生インターン——さまざまな人が自然な形で登場することで、それぞれのフォロワーや友人に動画が届きます。出演者の多様性は、コンテンツの質と同じくらい重要な要素といえます。

伸びやすい動画に共通するのは、冒頭3秒で興味を引くシーンがあること、テンポよく編集されていること、候補者や出演者の「素の表情」が映っていることです。技術的なクオリティより人間味が伝わるかどうかの方がTikTokでは効きます。雨の中で活動している姿、地域の人と笑いながら話しているシーン、若いスタッフと冗談を言い合っている場面——そういうリアルな一コマが、思わぬ拡散を生むことがあります。

 

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TikTok活用における法的なルール 

TikTokを選挙に活用する際、何がどこまで許されるのかは必ず事前に整理しておく必要があります。

政治活動期(告示前)にできること 告示前であれば、外部の制作会社や編集スタッフに動画制作を依頼し報酬を支払うことは可能です。SNS戦略の設計、コンテンツの企画・構成・編集・投稿補助は「政治活動の支援」として業務委託できる範囲とされており、この時期に丁寧にコンテンツを積み上げておくことが告示後の発信の土台になります。

選挙運動期間(告示後)に注意すること 告示後は、動画編集やデータ整理といった技術的な作業は外部に依頼できますが、投稿内容の企画・文言・公開判断は必ず候補者本人や選対が行う必要があります。「○○候補に投票してください」という選挙運動の中身を外部が主導することは、公職選挙法上できません。また、選挙運動期間中にインターネットを使った選挙運動ができるのは候補者本人と陣営スタッフに限られており、有償でインターネット選挙運動を行わせることは禁止されています。「バズらせるためにインフルエンサーに有償依頼する」という方法は、選挙期間中は認められません。

個別のケースでどこまで許されるかの判断は、必ず選挙管理委員会や専門家に事前確認することをおすすめします。グレーゾーンも存在するため、思い込みで進めると後から問題になることがあります。当社でもこうした役割分担や法的な整理についてのご相談を受け付けています。

 

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 まとめ—TikTokは「当選のツール」ではなく「入口のツール」 

TikTokで動画がバズることは決して無意味ではありませんが、それだけで当選できると考えるのは危険です。再生数は「知ってもらえた人数」であり、「票になった人数」ではありません。

知ってもらったあとに信頼を積み上げ、実際に投票所に足を運んでもらうまでのプロセスを設計することが、選挙において大切なことです。TikTokはその入口として機能しますが、入口を入ってもらったあとの導線が整っていなければ票にはつながりません。

当社がサポートした選挙でも、TikTokの再生回数が大きく伸びた一方で、それがそのまま票に直結したかというと一概にはそう言えません。ただ、TikTokをきっかけに候補者を知った支持者が家族や友人に話してくれたという流れが生まれたケースがありました。SNSが直接票を生むのではなく、口コミの起点になるという役割を理解したうえで活用することが、現実的な戦い方です。

「TikTokをやってみたいがどう使えばいいかわからない」「他のSNSとどう組み合わせればいいか」——そういったご相談も、お気軽にお問い合わせください。

 

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