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選挙のネット戦略は「インスタ」が主戦場!有権者に届く最強の宣伝術とは?

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はじめに

日本の「選挙運動」は、大きな変革の時代を迎えています。かつては「街頭演説」「ポスター」「選挙カーでの名前の連呼」が中心だった選挙戦は、2013年の「ネット選挙運動」解禁により、その戦いの場を急速にデジタル空間へと広げました。当初、ネット選挙の中心は政策をじっくり読ませる「ブログ」や「ホームページ」、そして速報性と拡散性に優れた「X(旧Twitter)」でした。政治家たちはこぞってXアカウントを開設し「つぶやき」による情報発信に力を入れました。

しかし今、その「主戦場」は明らかに移行しつつあります。
それが「Instagram(インスタグラム)」です。
「インスタは若者や女性がオシャレな写真や動画を見るためのもので、政治とは無縁だろう」

そう考えるのはもはや時代遅れかもしれません。なぜ今、多くの候補者や政党が、X以上にインスタの活用に力を入れ始めているのでしょうか?

それは、インスタが持つ「ビジュアルの力」と「独自のコミュニケーション文化」こそが従来の政治に無関心だった層、特に若年層や女性層の「心」を掴み、投票所に足を運ばせる「最強の武器」になり得ると気づいたからです。この記事では、選挙ブログを運営する私たちだからこそお伝えしたい、「なぜ今、インスタが選挙の主戦場なのか」という理由を徹底的に分析し、有権者に本当に届くための「最強の宣伝術」について具体的に解説していきます。

目次

第1章:なぜ今「インスタ」が選挙の主戦場なのか?

ネット選挙戦略においてインスタがX(旧Twitter)やFacebookと並ぶ、いやそれ以上に重要な「主戦場」とされるようになった理由は、他のSNSにはないインスタ独自の特性にあります。

1. 圧倒的な若年層・女性層へのリーチ力

選挙において、常に課題とされるのが「若年層の投票率の低さ」です。政治家がどれだけX(旧Twitter)やFacebookで政策を訴えても、そのプラットフォームを利用していない層には届きません。

X(旧Twitter):政治・時事ニュースに関心が高い層、議論を好む層(主に男性)が多い傾向。
Facebook:実名登録制で、ユーザーの年齢層が比較的高め(30代~50代以上)が中心。
Instagram:10代~30代の若年層、特に女性ユーザーの利用率が極めて高い。

つまり、インスタは「従来の選挙運動では最も声を届けにくかった層」が、最も多く集まる場所なのです。彼ら・彼女らに政治参加を促すためには、彼ら・彼女らが日常的に使っているインスタという「広場」に出ていき、そこで共感を得る戦略が不可欠となっています。

2. 「ビジュアル」による直感的な共感

インスタの基本言語は「文字」ではなく「ビジュアル(写真・動画)」です。X(旧Twitter)では、「政策AにはBという問題点があり、私はCという対案を提示する」といった「論理(ロジック)」が重視されます。Instagramでは、候補者が汗だくで地域を回る写真、支援者と笑顔で握手する姿、家族と過ごすオフショットといった「感情(エモーション)」が重視されます。

有権者、特に政治に強い関心を持っていない層は、難しい政策の長文を読みません。しかし、一枚の写真や短い動画から伝わる「この人、熱意がありそう」「優しそう」「自分たちの街のために頑張ってくれそう」といった「人柄」や「熱量」には、直感的に反応します。理屈(政策)で説得するXに対し、インスタはビジュアル(人柄)で共感させる。このアプローチの違いこそが、インスタの最大の強みです。

3. 「ストーリーズ」文化による親近感の醸成

インスタの「ストーリーズ(24時間で消える投稿)」は、選挙戦略において革命的な機能です。選挙ポスターや公式ホームページに載っているのは、完璧に準備された「作られた姿」です。しかし、ストーリーズでは朝の駅立ち前の眠そうな顔、昼食に何を食べているか、街頭演説後の「疲れたー」という本音など、候補者の「リアルな舞台裏」を気軽に発信できます。

この「完璧ではない、人間らしい姿」こそが有権者、特に若年層に「この人も同じ人間なんだ」という強烈な親近感を抱かせます。「先生」と呼ばれる“偉い人”ではなく、「〇〇さん」と呼びたくなる“身近な人”へと、候補者の存在を格下げならぬ「格近づけ」させる効果があるのです。

4. プラットフォームの「空気」の違い

SNSは、そのプラットフォームごとに独特の「空気(文化)」を持っています。

X(旧Twitter)の空気

「議論」「論争」「批判」「炎上」。異論や反論が飛び交いやすくネガティブなリプライや引用リツイートによって発信者が疲弊しやすい環境でもあります。

Instagramの空気

「共感」「応援」「賞賛」「ポジティブ」。Xに比べ、批判的なコメントや政治的な論争が起こりにくい傾向があります。文化として「いいね」を押しやすく「素敵ですね」「頑張ってください」というポジティブなコミュニケーションが主流です。候補者にとって炎上リスクが比較的低く、ポジティブな応援が集まりやすいインスタは選挙期間中のメンタルを保つ上でも、また「多くの人に応援されている」というムードを醸成する上でも、非常に効率の良いプラットフォームと言えます。

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第2章:インスタ選挙戦略の「土台」作り “ダサい”は致命的

インスタが主戦場であると理解しても、ただやみくもに投稿すればいいわけではなく、特にインスタは「センス」や「世界観」が重視されるプラットフォームです。「政治家のアカウントだからダサくても仕方ない」という甘えは通用しません。「ダサい」「見づらい」と思われた瞬間、有権者はスワイプして離脱してしまうので宣伝術を行う前に、まずは信頼される「土台」を構築しましょう。

1. プロフィールの最適化 「90秒」で何者か伝えよ

ユーザーがあなたのアカウントを訪れて、フォローするか否かを決める時間はわずか数秒と言われます。プロフィール欄(自己紹介文)は、その数秒で「この人は何者で何をしようとしていて私にどんなメリットがあるか」を伝えきる必要があります。

名前(アカウント名)

「〇〇太郎(フルネーム)」「〇〇たろう(ひらがな併記)」「〇〇党」「〇〇区議会議員」など、検索でヒットしやすいようにかつ親しみやすい名前を。

顔写真(アイコン)

必須。ポスター用のキメすぎた写真より、清潔感があり、誠実さや熱意が伝わる「笑顔」の写真が好まれます。

自己紹介文

限られた文字数で最大限の情報を。

1.何者か:「〇〇区議会議員(3期目)」「〇〇党所属」「元〇〇(職歴)」
2.何をしたいか(ビジョン):「子供たちの未来を守る」「誰もが住みやすい〇〇市へ」
3.実績・強み:「弁護士」「2児の母」「IT企業出身」
4.活動エリア:「〇〇区在住」

リンクの活用

インスタのプロフィール欄に貼れるリンクは原則一つです。「Linktree(リットリンク)」などの無料サービスを使い、一つのリンク先に「公式HP」「政策リーフレット」「X(旧Twitter)」「YouTube」など、全ての活動への導線をまとめた「ポータルサイト」を必ず設置しましょう。

2. デザインの統一感(世界観)信頼感は「見た目」から

フィード投稿一覧は、あなたの「顔」であり「本棚」です。投稿ごとに色合いがバラバラ、フォントが違う、写真が暗い…では、見ている人は「雑な人」「センスのない人」という印象を抱きかねません。

テーマカラーの決定

自分のイメージカラーや所属政党のカラーを決め、投稿の枠や文字色に統一して使用する。(例:青なら「誠実」、オレンジなら「元気」など)

フォントの統一

投稿に文字入れをする場合、使うフォントは1〜2種類に絞る。ゴシック体は「力強さ」、明朝体は「知的さ」を与えます。

テンプレートの活用

「Canva(キャンバ)」などの無料デザインツールを使い、「活動報告用」「政策解説用」など、投稿の種類ごとにデザインの「テンプレート(雛形)」を作成しておきましょう。これにより、更新の手間を省きつつ、誰でも統一感のある美しいフィードを作成できます。「見た目」が整っていることは、「この人は細部まで手を抜かない、信頼できる人だ」という無意識のメッセージを有権者に送ることにつながるのです。

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第3章:【機能別】有権者に届く最強の宣伝術

土台が整ったら、いよいよインスタの各機能を最大限に活用した「宣伝術」です。インスタには「フィード(通常投稿)」「ストーリーズ」「リール(短尺動画)」「ライブ配信」という4つの主要機能があり、これらはすべて役割が異なります。最強の戦略とはこれらの機能を「目的」に応じて使い分けることです。

① フィード(投稿):「信頼」を蓄積する“本棚”

【役割】

フィード投稿はプロフィールを訪れた人が必ず目にする「本棚」であり、あなたの「公式な実績と政策」を蓄積する場所です。ストーリーズやリールで興味を持った人が、あなたの「中身」を確認するために訪れます。

【最強の宣伝術】

「文字入れ画像」で勝負
美しい風景写真や活動写真だけでは、政策は伝わりません。1枚目の画像に「〇〇区の待機児童問題、解決策はこれ!」「3つの重点政策」といったキャッチーな見出し(タイトル)を文字で入れ、有権者の指を止めさせます。

「スワイプさせる」インフォグラフィック
難しい政策や実績報告は、1枚の画像で説明しようとせず、スワイプ(横にめくる)する複数枚の画像(カルーセル投稿)で「図解」します。グラフや簡単なイラストを使い、読みやすく解説する「インフォグラフィック」は、政策理解に最適です。

「活動報告」は具体的に
「〇〇を視察しました」という日記ではなく、「〇〇を視察し、××という課題を発見。△△の改善を議会で提案します」という「課題発見→行動」のセットで報告します。

ハッシュタグ(#)戦略
無関心層に「見つけてもらう」ための重要な導線です。

○大タグ:#選挙 #政治 #〇〇党
○中タグ:#子育て支援 #教育 #防災
○小タグ(最重要):#〇〇区 (#新宿区) #〇〇駅 (#高田馬場) #〇〇太郎 (自分の名前)

特に「地域名」のハッシュタグ(小タグ)は、その地域に住む有権者に直接リーチするために必須です。

② ストーリーズ:「親近感」を醸成する“舞台裏”

【役割】

24時間で消える気軽さを活かし、「今、この瞬間」の候補者の姿を共有する場所です。フィードが「公(公式)」なら、ストーリーズは「私(パーソナル)」。有権者との距離を縮め、「親近感」を醸成するのが最大の目的です。

【最強の宣伝術】

「裏側」をすべて見せる
街頭演説の「本番」はフィードやリールに。ストーリーズでは、演説前の「緊張してます」という表情、演説後に汗だくで水を飲む姿、支援者とのオフショット、事務所での地味な作業風景などを発信します。「完璧な政治家」ではなく「頑張る一人の人間」を演出します。

「双方向機能」をフル活用する
ストーリーズは、有権者とコミュニケーションが取れる最強のツールです。

○質問箱
「政策やプライベート、何でも質問募集」と投げかけ回答をストーリーズで公開する。

○アンケート機能
「〇〇区の課題は?」 A.交通 B.子育て と二択で問いかけ有権者の関心事をリサーチする。

○クイズ機能
「私の公約で、一番知られていないのは?」など楽しみながら政策を周知させる。

「ハイライト」でストックする
24時間で消えてしまうストーリーズも、「ハイライト機能」を使えばプロフィール欄に固定表示できます。「自己紹介」「政策」「よくある質問」「活動日記」といったカテゴリー別にストーリーズをまとめておけば、新規フォロワーへの最高の「自己紹介ツール」になります。

③ リール(短尺動画):「無関心層」にリーチする“最大の武器”

【役割】

リール(15秒〜90秒の短尺動画)は、現在のインスタ戦略において「最も重要な機能」と言っても過言ではありません。なぜなら、インスタのアルゴリズム(AI)がリールを強力にプッシュしており、フォロワー以外の全く新しい有権者(=無関心層)にリーチできる唯一の機能だからです。

【最強の宣伝術】

「1分解説」で政策を届ける
「A候補が解説!1分でわかる〇〇問題」といった形で、候補者自身が(テロップ付きで)政策を分かりやすく解説する動画。難しい話も、ショート動画なら最後まで見てもらえる可能性が高まります。

街頭演説の「切り抜き」
街頭演説の「本番」を長々と見せるのはNG。演説の中で最も「熱い」部分、最も「魂がこもった」メッセージの部分だけを30秒~60秒に切り抜いて発信します。BGMとテロップは必須です。

活動のダイジェスト
「候補者の1日」といったテーマで、朝の駅立ちから夜の会合までをテンポの良い音楽とテロップでVlog(ビデオブログ)風に見せる。これも人柄を伝えるのに有効です。

トレンド音源の活用
インスタで流行しているBGM(トレンド音源)を使うと、アルゴリズム的に「バズり」やすくなります。政治的に不適切なものでなければ、積極的に活用するのも手です。

④ インスタライブ(生配信):「熱狂」を生む“直接対話”

【役割】

候補者と有権者が、リアルタイムで直接コミュニケーションできる「生配信」機能です。加工されていない「生の言葉」で、支援者の「一体感」や「熱狂」を生み出します。

【最強の宣伝術】

「事前告知」と「ゲリラライブ」の使い分け
「今夜9時から、政策についてライブ配信します」とストーリーズで事前告知し、テーマを決めてじっくり話す「定期配信」と、街頭演説後やイベント後に「今から少しだけ」と始める「ゲリラライブ」を使い分けます。

質問へのリアルタイム回答
ライブ中に寄せられるコメントや質問に、その場で即座に回答します。「コメントを読んでもらえた」という喜びが視聴者を熱心なファン(支援者)に変えます。

コラボ配信
同じ志を持つ他の議員や、地元の著名人(経営者や専門家)と「コラボ配信」を行うことで相手のフォロワーにもアプローチできます。

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第4章:忘れてはいけない公職選挙法と「守り」の戦略

ここまで「攻め」の宣伝術を解説してきましたが、選挙戦略において「攻め」以上に重要なのが「守り」、すなわち「コンプライアンス(法令遵守)」です。どれだけバズってもどれだけフォロワーが増えても、公職選挙法に違反してしまえば「当選無効」や「逮捕」という最悪の事態を招きかねません。インスタ活用において特に注意すべき公選法のルールを解説します。

1. 有料広告(プロモーション)の絶対禁止

「このリールは自信作だ。インスタの『プロモーション機能(有料広告)』を使って、〇〇区の30代女性にターゲットを絞って拡散しよう」

ルール:

公職選挙法では、候補者や政党が「選挙運動」の目的で有料のインターネット広告(リスティング広告、バナー広告、SNS広告など)を出すことを固く禁止しています。

注意点:

これは一般の支援者も同様です。「A候補を応援したい」という善意で一般人が自分のお金を使ってXやインスタの有料広告を出すことも「買収罪」に問われる可能性があり禁止されております。

2. DM(ダイレクトメッセージ)での投票依頼の禁止

「(フォロワーへのDMで)いつも応援ありがとうございます。〇〇選挙、私に投票をよろしくお願いいたします」

ルール:

ネット選挙運動は解禁されましたが、「電子メール(Eメール)」による選挙運動は、候補者や政党から「許可を得た人」にしか送れません。インスタのDM(ダイレクトメッセージ)は、この「電子メール」とほぼ同等と見なされており、DMを使った個別の投票依頼は公選法違反となります。

アドバイス:

選挙運動(投票依頼)は、必ず「フィード投稿」「ストーリーズ」「リール」といった“公開”された場所で行ってください。

3. 「投票日当日」の更新の厳禁

「(投票日当日に)本日、投票日です。最後の最後まで、私〇〇太郎に皆様の一票を」

ルール:

日本の公職選挙法では、選挙運動は「投票日の前日(23時59分)まで」と定められています。投票日当日は、一切の選挙運動が禁止されています。

注意点:

これはネット(インスタ)も例外ではありません。投票日当日に、投票を依頼するフィード投稿、ストーリーズ、リールを「新規投稿」することはもちろん、「過去の投稿をリポスト(ストーリーズで再共有)」する行為も禁止されております。

特定の候補者名や政党名を出さず、「今日は選挙の日です。皆さん、投票に行きましょう」と呼びかける「投票啓発」は、投票日当日でも可能です。

4. 誹謗中傷・炎上対策

インスタは比較的平和とはいえ、ネガティブなコメントや誹謗中傷がゼロとは限りません。

誹謗中傷へのスタンス:

事実無根の中傷や人格攻撃・脅迫めいたコメントは、「議論」ではなく「犯罪」です。毅然と「削除」「アカウントブロック」し、悪質な場合は「法的措置」も辞さない姿勢を明確にすることが重要です。

使い分けの意識:

政策的な「議論」や「反論」は、インスタではなくX(旧Twitter)などで行うよう誘導し、インスタの世界観は「ポジティブな共感」の場として守るという使い分けも戦略の一つです。

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まとめ

選挙のネット戦略は『インスタ』が主戦場、この言葉は、もはや大げさなキャッチコピーではありません。
X(旧Twitter)が「政策」や「イデオロギー」で戦う場だとするならば、Instagramは「人柄」と「共感」で戦う全く新しい主戦場です。

最強の宣伝術とは、
1.「信頼」を与えるプロフィールの土台を固め
2.フィードで「政策と実績(信頼)」を蓄積し
3.ストーリーズで「人間味と親近感(共感)」を醸成し
4.リールで「無関心層(新規)」にリーチし
5.ライブ配信で「支援者(ファン)」との熱狂を生み出す。

この5つの機能を、公職選挙法という「ルール」の中で戦略的に使い分けることに他なりません。そして何より、これらのテクニックはすべて「手段」に過ぎず、有権者の心を本当に動かすのは、テクニックの先にある候補者自身の「熱意」、社会を良くしたいという「本気度」、そして有権者と向き合う「誠実な姿勢」です。インスタグラムは、その「本気度」と「誠実さ」をビジュアルの力で何倍にも増幅させてくれる最強のツールなのです。

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