投開票日の翌日、当選した議員たちが駅前で晴れ晴れと「御礼」の挨拶をする横で、あるいは少し離れた場所で、深々と頭を下げる落選者の姿を見ることがあります。残酷なようですが、次の選挙の戦いは、この瞬間から始まっています。
「惜しかったですね、次は頑張って」
そう声をかけてくれる有権者は優しいですが、4年という歳月は残酷なほど長く、人々の記憶は風化します。何もしなければ、半年後にはあなたの名前を覚えている人は激減しているでしょう。一方で、地方議員選挙において「現職が強い」と言われるのは、彼らが4年間、地域で活動し続けているからです。
では、バッジを持たない「新人」や「元職(浪人中)」は、どう戦えばいいのでしょうか?
答えはシンプルです。現職が議会活動で忙しい間に、現職よりも多く地域を歩き、現職よりも深く有権者と交わること。これしかありません。今回は、次の選挙で必ず雪辱を果たすために、政治活動期間(選挙期間外)に徹底すべき3つの「基礎体力づくり」について解説します。
選挙期間中、駅前は候補者で溢れかえります。しかし、選挙が終われば嘘のように静まり返ります。だからこそ、「誰もいない時期の駅頭・辻立ち」が最強の武器になります。
「選挙の時だけの人」からの脱却
有権者が最も嫌うのは「選挙の時だけ必死になって、終わったら姿が見えなくなる人」です。逆に、選挙がない時期に雨の日も風の日も立ち続け、市政レポートを配り続ける姿は、有権者の脳裏に強烈に焼き付きます。
「あの人、選挙終わったのにまだやってるよ」
「根性あるな」
この「苦労している姿」への共感こそが、日本人有権者の心を動かす最大の要素です。この信頼の貯金は、選挙直前の1週間の連呼では絶対に作れません。
挨拶は「数」ではなく「質」に変える
選挙期間外の活動(政治活動)では、「投票してください」と言うことはできません(事前運動の禁止)。その代わり、有権者一人ひとりとゆっくり対話する時間はたっぷりあります。
● 通勤客の顔を覚える。
● 「おはようございます」のトーンを相手に合わせる。
● ご意見があれば、立ち止まってじっくり聞く。
この時期に作った「顔見知り」の数だけ、4年後の基礎票が積み上がります。週に数回、決まった時間に決まった場所に立つ。この単純作業を4年間続けられるかどうかが、プロの政治家になれるかどうかの分かれ道です。
公職選挙法の規定により、任期満了の6ヶ月前からは候補者単独のポスターを掲示することが制限されます。しかし、それ以前の期間であっても、新人や浪人中の方が名前を売るために必須なのが「二連ポスター(弁士用ポスター)」です。
有名な政治家や政党幹部と並んで写るこのポスターには、2つの大きな役割があります。
1.知名度の補完:
有名な政治家の隣に並ぶことで、「ああ、この人の仲間なのか」と認知してもらう(虎の威を借る)。
2.掲示交渉(壁借り)の口実:
これが最も重要です。
「ポスター貼り」こそ最強のドブ板営業
ポスターを貼るためには、家主の方にお願いをして許可をもらわなければなりません。「ポスター掲示のお願いに上がる」こと自体が、地域を戸別訪問する正当な理由になります。
「今度、地域活動を始めることになりました〇〇です。政策を知っていただきたく、ポスターを貼らせていただけないでしょうか?」
当然断られることも多いでしょう。
しかし、話を聞いてくれたり貼らせてくれたりした家主は、間違いなくあなたの「見込み支援者」です。
4年間かけて、自分のポスターで街の景色を変えていく。目標は「地域のどこを歩いても、自分の顔が見える状態」を作ることです。
【注意点:ポスターの品質】
4年間(あるいは長期間)貼り続けるポスターは、紫外線や雨風にさらされます。安価な印刷で数ヶ月で色あせてしまい、顔が青ざめた幽霊のようになったポスターを見かけますが、これは逆効果です。「手入れがされていない=活動していない」というマイナスの印象を与えます。
長期間の掲示に耐えうる「耐候インキ」や、裏写りしない高品質な用紙を選ぶことは、候補者のイメージを守るための必要経費です。
選挙に落ちる人の特徴として「地域の行事に『招待客』として参加し、挨拶だけして帰る」というパターンがあります。現職議員ならそれでも良いですが、挑戦者がこれをやってはいけません。
● 汗をかく場所に人は集まる
地域の夏祭り、消防団、PTA、清掃活動、商店街のイベント。これらに参加する際は、来賓席に座るのではなく、テントの設営を手伝い、焼きそばを焼き、片付けをしてゴミを持ち帰る「スタッフ」として参加してください。共に汗を流し、作業をした仲間には、特別な連帯感が生まれます。
「この人は口だけじゃない、ちゃんと働く人だ」
そう地域の方に認められて初めて、「今度選挙に出るなら応援してやるか」という空気が生まれます。
● 政策は「現場」に落ちている
また、こうした活動に参加することで、「公園の土埃がひどい」「通学路のガードレールが危ない」といった、地域住民のリアルな困りごと(政策の種)を見つけることができます。ネットで調べた高尚な国家論よりも、「あそこの側溝を直します」と言える候補者の方が、地方選挙では圧倒的に強いのです。
最後に現実的な問題を2つ書きたいと思います。
●資金計画:見えない経費を甘く見ない
浪人期間中も、活動費はかかります。
ポスターの印刷費、ビラの作成費、ガソリン代、事務所を維持するなら家賃。そして何より、あなた自身の生活費。「次の選挙まで持たない」と途中で活動を辞めてしまうのが一番もったいないケースです。無理のない範囲で、しかし継続的に活動できるよう、仕事をしながら活動する(兼業)スタイルも含め、長期的な資金計画を立てましょう
●メンタル管理:孤独に勝つ
浪人生活は孤独です。現職のように役所に行けば職員が挨拶してくれるわけでもなく、先生と呼ばれることもありません。「自分は社会から必要とされていないのではないか」という不安に襲われる夜もあるでしょう。しかし、その孤独を知っている政治家は間違いなく強い政治家と言えます。
弱者の痛みがわかる、人の話を聞ける政治家になれます。「この4年間は、政治家としての器を大きくするための修行期間だ」と割り切り、淡々としかし熱く活動を続けていくことが重要となります。
「選挙は熱伝導」と言われます。
あなたが地域を歩き、汗をかき、伝えた熱量の総和がそのまま票数になります。
次の選挙までの4年間、
● 毎朝、駅に立ち続けられますか?
● 何百件、何千件とポスターのお願いに回れますか?
● 地域の誰よりも行事で汗をかけますか?
これらを「イエス」と言えるなら、4年後の当選確率は飛躍的に高まっているはずです。当選・再選へGO!では、そんな長い孤独な戦いに挑む皆様を広報物制作の面から全力でサポートします。
・4年間貼っても色あせない高耐久ポスター
・有権者の足を止めるインパクトのある二連ポスターデザイン
・活動報告を効果的に伝える市政レポート(ビラ)の制作
再挑戦への準備を始める際はぜひ一度ご相談ください。
あなたの4年間の汗を、一枚のポスターに込めて地域に届けます。
▼無料相談は弊社サイトから、お気軽にお問い合わせください!