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なぜ「第一党の総裁」が総理大臣になるの? 40過ぎの友人に教えたい「総理大臣の選ばれ方」

作成者: Admin|2025/12/01

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「選挙で勝った党のトップが、総理大臣になる」
これは、私たちにとって「当たり前」すぎて、逆に「なぜ?」と聞かれると「えーっと、そういうルールだから…」としか答えられない、という人は意外と多いものです。

40代になっても知らないのは恥ずかしいことではなく、むしろ、日本の政治システムの「核心」に触れる、非常に良い質問です。その「当たり前」の「なぜ?」をスッキリ解消できるようなブログ記事を書いていきます。

はじめに

「この前の選挙、自民党が勝ったから、岸田さんが総理大臣なんだよね」
「うん、そうだよ」
「でも、なんで? 私、岸田さん(あるいは、他の総裁)に投票した覚えないんだけど」

先日、40代の友人とこんな話をしました。
「選挙で一番勝った党(第一党)のリーダー(総裁)が、総理大臣になる」このルール、私たちは「常識」として知っています。しかし、「なぜ、そうなるのか?」と聞かれると意外と説明できません。そして、友人の言う通り私たちは総理大臣を「直接」選んではいないのです。

* なぜ、私たちは総理大臣を直接選べないのか?
* その「投票」は、衆議院だけで行われる? 参議院も関係ある?

この「知ってるようで知らない」日本のトップの決まり方について、今日は徹底的に解説します。

 

すべての「ナゼ?」の答え:日本は「議院内閣制」だから

まず、この議論の「結論」から言います。
なぜ第一党の党首が総理大臣になるのか、その答えは、日本の政治システムが「議院内閣制(ぎいんないかくせい)」を採用しているからです。

この言葉(テストに出ましたね)こそが、すべての「からくり」を解くカギです。

1-1. 「大統領制」との決定的な違い

この「議院内閣制」を理解する一番簡単な方法は、アメリカの「大統領制(だいとうりょうせい)」と比較することです。

アメリカ(大統領制)
国民は「大統領選挙」で、国のトップ(大統領)を直接選び、それとは別に「議会選挙」で、法律を作る人(議員)を選びます。つまり、「行政のトップ(大統領)」と「立法のトップ(議会)」を国民が別々に選ぶのです。

日本(議院内閣制)
国民は「国会議員選挙」で、議員(国会議員)を選びます。私たちは、総理大臣を直接選びません。そして、私たちが選んだ「議員」たちが、国会に集まり、彼らの中から「総理大臣」を選ぶのです。

これが最大の違いです。
私たちが「総理大臣選挙」だと思って投票している「衆議院選挙(総選挙)」は、あくまで「総理大臣を選ぶ権利を持つ人(=国会議員)を選ぶ選挙」なのです。

1-2. なぜ「議院内閣制」は第一党の党首が選ばれるのか?」

では、なぜ「議員」たちが集まると、自動的に「第一党の党首」が選ばれるのでしょうか。これは、多数決のロジックを考えればとても簡単です。

(例)定数100議席の国会で総選挙が行われました。

* A党(党首はAさん): 60議席 を獲得
* B党(党首はBさん): 30議席 を獲得
* C党(党首はCさん): 10議席 を獲得

選挙後、この100人の議員たちが「総理大臣を選ぶ投票」を行います。

* A党に所属する60人の議員は誰に投票するでしょうか?
→ 当然、自分たちのボスである「Aさん」に投票します。
* B党の30人は「Bさん」に、C党の10人は「Cさん」に投票します。

【投票結果】
* Aさん: 60票
* Bさん: 30票
* Cさん: 10票

Aさんが、過半数(半数以上)の票を獲得し、総理大臣に選ばれました。

これが「第一党の党首が総理大臣になる」という「当たり前」の正体です。私たちは「第一党」を選ぶことで、「その党の党首を総理大臣にしてください」と、間接的に意思表示していることになるのです。

2. 「総理大臣を選ぶ投票」の詳しいルール

では、ご質問の核心である「その投票」の詳しいルールを見ていきましょう。この「総理大臣を選ぶ投票」は、正式には「内閣総理大臣指名選挙(しゅはんしめいせんきょ)」(または「首班指名」)と呼ばれます。

「首班」とは「トップ」という意味です。
総選挙の後、新しい国会が開かれると、まず最初に行われる最も重要な仕事が、この「首班指名」です。

2-1. 投票は「衆議院だけ」?「参議院も」?

答えは、投票は「衆議院」と「参議院」その両方の議院でそれぞれ投票が行われます。ここが、少しややこしくそして面白いポイントです。衆議院議員は衆議院で、参議院議員は参議院で、別々に「誰を総理大臣に指名するか」を投票します。

「え? もし、お互い違う人を選んだらどうなるの?」
その疑問、素晴らしいです。まずは「普通のケース」を見てみましょう。

* 普通のケース(衆議院と参議院で、多数派が同じ)
(例:A党が、衆議院でも過半数、参議院でも過半数を持っている)
* 衆議院の投票 → Aさんが選ばれる
* 参議院の投票 → Aさんが選ばれる
* 両方の議院の意見が一致したので、何の問題もなく「Aさん」が総理大臣に指名されます。

これが最もスムーズな「普通の」パターンです。

2-2. もし、両院が「違う人」を選んだら?

しかし、政治の世界は「ねじれ国会」という状態がよく起こります。
(例:総選挙でA党が勝ったが、参議院ではB党がまだ多数派)

* 衆議院の投票 → Aさん(A党が多数派)
* 参議院の投票 → Bさん(B党が多数派)

さあ大変です。衆議院は「Aさん」、参議院は「Bさん」と、指名が割れてしまいました。このままでは総理大臣が決まりません。しかし、この「もしも」の時のための「特別ルール」が、日本国憲法にしっかり書いてあります。

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3. 特別ルール:「衆議院の優越」という最強のカード

憲法第67条には、こう書かれています。

(要約)
衆議院と参議院が、違う人を総理大臣に指名した場合、「衆議院の議決(決定)を国会の議決とする」これは「衆議院の優越(しゅうぎいんのゆうえつ)」と呼ばれる、日本国憲法の非常に重要なルールの一つです。

なぜ、参議院より「衆議院」の決定が優先されるのでしょうか?
それには、2つの理由があります。

1.「解散」があるから

「ねじれ国会」とは、衆議院では与党が過半数を占めて内閣を組織しているにもかかわらず、参議院ではその与党が過半数を割り込んでいる状態を指します。発生する最大の原因は、衆議院と参議院の選挙が異なるタイミングで行われるという選挙制度そのものにあり、特に政権「中間テスト」と化しやすい参議院選挙で、政権への批判票が集まりやすいために生じやすい構造になっています。

2.任期が短いから

任期が短い(最長4年)ということは、それだけ頻繁に「国民の審判」を受けるということです。このため、衆議院は「民意を代表する議院」として、参議院よりも強い権限が与えられているのです。

つまり、「総理大臣を選ぶ投票は、衆議院と参議院の両方で行う。しかし、もし意見が割れたら、絶対に『衆議院が選んだ人』が勝つ」というルールになっています。

これが、私たちが「参議院選挙」よりも「衆議院選挙(総選挙)」のほうを「政権選択選挙」と呼んで、熱狂する理由です。総理大臣のクビを(間接的に)決められるのは、衆議院選挙だけなのです。

 

4. まとめ:友人のための「30秒でわかる」総理大臣の決まり方

さて、40代のご友人に「結局どういうこと?」と聞かれたらこう説明しましょう。

1、私たちは「総理大臣」を直接選べない。
私たちが選べるのは「総理大臣を選ぶ人(=国会議員)」だけ。

2、国会議員が「総理大臣」を選ぶ。
選挙の後、国会議員たちが集まって「誰を総理大臣にするか」を投票(首班指名)する。

3、だから「第一党の党首」が選ばれる。
選挙で一番勝った党(第一党)は、国会議員の数も一番多い。だから、その議員たちが自分たちのボス(党首)に投票すれば、自動的にその人が総理大臣に選ばれる。

4、【重要】投票は「衆議院」と「参議院」両方で行う。
ただし、もし意見が割れたら、国民の最新の意思を反映している「衆議院の決定」が、絶対に勝つ!

「総理大臣に投票した覚えがない」という友人の感覚は、大正解です。私たちは、総理大臣本人ではなく「どの党の、どのリーダーに総理大臣になってほしいか」を考えて、選挙で「国会議員(=代理人)」を選んでいるのです。

だからこそ、選挙の時に「この党が勝ったら、あの人が総理大臣になるんだな」と想像しながら投票することが、この「議院内閣制」の国で暮らす私たちにとって、とても大切なことなのです。

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