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タスキをつけたまま本人が期日前投票はできる?〜候補者本人の投票にまつわる公選法のリアル〜

作成者: Admin|2026/05/13

 

 

はじめに

選挙戦のさなか、ふと現れる素朴な疑問。「候補者本人もどこかのタイミングで自分に投票するわけだけど、タスキをつけたまま投票所に入っていいの?」——陣営でこの話題が出ると、意外なほど答えが分かれます。

結論から言うと、タスキをつけたまま期日前投票所の中に入ることは公職選挙法上できません。投票所の入口でタスキを外し、選挙運動の標識をすべて外した状態で投票するのが正しい流れです。本記事では、その法的根拠から、候補者本人が期日前投票を行うときの実務的な動き方、メディア取材への対応、SNSでの発信ルールまで、現場で迷いやすいポイントを整理します。

結論:タスキをつけたままでは投票所に入れない

根拠となるのは公職選挙法第138条の2です。条文は次のように定めています。

「何人も、投票所、共通投票所又は期日前投票所においては、選挙運動をすることができない。」

ここでいう「選挙運動」には、ビラ配布や声出しといった積極的な行為だけでなく、候補者の名前入りタスキ・標識・のぼりを身につけて投票所内に入ること自体も含まれると解釈されています。タスキは候補者の名前を有権者にアピールするための装具であり、それを身につけて投票所内にいる時点で「無言の選挙運動」と評価されかねないからです。

実務上も、投票所係員から「タスキは外してください」と必ず指示されます。指示を無視して投票所内に進入すれば、公選法違反として告発される可能性があり、ニュースにでもなれば選挙戦そのものに大きなマイナスとなります。

 

 候補者本人が期日前投票を行うときの実務的な流れ 

ステップ1:投票所の外(敷地外)でタスキを外す

まず、投票所敷地に入る前にタスキを外しましょう。スタッフに預けるか、選挙運動用自動車に置いていく形が一般的です。腕章・候補者バッジ・候補者名入り帽子なども同様に外してください。

ステップ2:通常の有権者として投票する

 受付では本人確認のために投票所入場券(ハガキ)を提示し、宣誓書(期日前投票理由)を記入します。ここでは候補者であることを示す必要は一切なく、ごく普通の有権者として投票を済ませます。「候補者の○○です」とアピールすることも、もちろん控えるべきです。 

ステップ3:投票所を出てからタスキを再装着

投票が終わり、投票所敷地の外に出てからタスキを再装着して、選挙運動を再開します。多くの候補者は、投票後の場面をプレス・カメラマンに撮影してもらい、SNSに投稿する流れを組み立てています。

 

 投票所「周辺」での選挙運動はどこまで許される? 

投票所の中での選挙運動は禁止ですが、投票所の外(敷地外)であれば原則として通常の選挙運動を行うことができます。ただし、いくつかの注意点があります。

  • 投票所内が見える距離での連呼・拡声器使用は、有権者の妨げになるため避ける
  • 選挙運動用自動車を投票所入口の真ん前に長時間停車させない
  • ビラ配布も投票所敷地外で、来場者の動線を塞がないように
  • 投票に来た有権者に対して個別に声をかけ過ぎると「投票干渉」と見られる恐れがある

投票所のすぐ近くで「票を入れてください」と連呼するのは、たとえ法的にギリギリOKであっても、有権者の心象としてはマイナスに働きやすいものです。基本姿勢としては、投票所周辺ではトーンを抑え、自然な振る舞いに徹するのが賢明です。

メディア取材・撮影への対応

候補者本人の期日前投票は、地元メディアにとっても格好の取材対象です。撮影・取材を受ける際の注意点を整理しておきましょう。

  • 投票所内での撮影は原則禁止。入場前・退場後の屋外で対応する
  • 「どなたに投票されましたか?」と聞かれても、選挙の秘密保持の観点から答えない(自分自身に投票していても明言しないのが慣例)
  • 家族と一緒に投票に行く場合、家族にもタスキ・候補者グッズを身につけさせない
  • 「期日前投票に行ってきました。皆さんもぜひ」というメッセージは、投票率向上を促す一般的呼びかけとして問題なし

 

 投票後のSNS発信のポイント 

投票を済ませたあと、SNSで「期日前投票に行ってきました」と発信するのは、選挙運動として認められる範囲内であり、有権者の投票行動にもプラスに働きます。

  • 「期日前投票に行ってきました。皆さんも投票へ!」は問題なし
  • 自分の投票風景の写真は、投票所「外」で撮影したものを使う
  • 「私(候補者本人)に投票しました」と直接的に発信するのは慣例的に避ける(投票の秘密との兼ね合い)
  • ハッシュタグは「#期日前投票」「#選挙に行こう」など投票率向上を促すものを中心に

よくあるQ&A

 Q. 候補者の家族や運動員もタスキ・腕章を外す必要がある?

 A. はい、同じ規制が及びます。候補者の名前入り腕章・タスキ・候補者名のロゴ入りジャンパーなどを身につけて投票所内に入ることは、家族・運動員であっても避けるべきです。 

Q. 候補者バッジ(小さい胸章)も外すべき?

A. 候補者名や顔写真が分かるバッジは外す方が安全です。「現職議員」としての議員バッジは別の話なのでつけたままで構いませんが、選挙運動期間中の候補者用バッジは原則として外すと考えてください。

 Q. 候補者本人が当日投票するのはどうか? 

A. 期日前投票と同じルールが投開票日当日の投票にも及びます。当日投票の場合、午後8時の投票締切までは選挙運動が可能ですが、タスキを外して投票することに変わりはありません。多くの候補者は早い段階で期日前投票を済ませ、投開票日当日は最終遊説・開票センターでの待機に集中するスケジュールを組みます。

Q. 投票所の入口でタスキを外す場面を撮影されても大丈夫?

A. 法的には問題ありませんが、画として「タスキを外す候補者」が映るのは、有権者目線でやや微妙な印象を与える場合があります。気になる方は、投票所からやや離れた場所(駐車場や選挙運動用自動車の中)でタスキを外し、徒歩で投票所に向かう動線を組むと良いでしょう。

【関連】選挙期間中の日常シーンでタスキはどうする? 

候補者として街頭に立っていると、一日の中で「ちょっとお昼を食べる」「店舗でトイレを借りる」「電車で移動する」といった場面が必ず出てきます。これらの場面でタスキをどう扱うべきかは、明確な法律の規定があるわけではありませんが、有権者・店舗・他の利用者への配慮の観点で陣営内のルールを決めておくと安心です。

飲食店での食事中

 お昼や夜の食事を飲食店でとる際は、店内ではタスキを外すのが一般的なマナーです。法律上の明確な禁止規定はありませんが、店内で名前入りのタスキをつけて長時間滞在すると、他のお客さんや店主から「店ぐるみで応援しているように見える」と受け止められ、店舗に迷惑をかけてしまう可能性があります。入店前に外してリュック・ジャンパーの内側にしまい、出る時に再装着するのが落ち着いた対応です。逆に、食事の様子をSNSに投稿する際は、タスキを外した自然体の写真の方が好感度は高くなります。 

コンビニ・店舗でトイレを借りるとき

移動中にコンビニ等でトイレだけ借りる、というシーンも頻繁にあります。短時間でも、店舗内に名前入りタスキで入るのは避けたほうが無難です。店員さんから見れば「うちの店を支持母体だと誤解されたら困る」というのが正直なところで、入る前にタスキを一度外し、店員さんに「お借りしてもいいですか」とひと声かけてから利用するのが大人の対応です。出てからの再装着も忘れずに。

 電車・バスなど公共交通機関での移動中 

電車・バス・タクシーなど公共交通機関の車内では、タスキは外すのが原則です。法律で明確に禁止されているわけではありませんが、車両内は不特定多数の利用者がいる「逃げられない空間」であり、そこで名前入りタスキを身につけ続けることは、他の乗客にとって押しつけがましく感じられます。また、車内で「○○です、よろしくお願いします」と声をかける行為は、戸別訪問類似の選挙運動と見られるリスクもあります。駅に到着し、車外に出てからタスキを身につける——この切り替えを徹底しましょう。

その他、特に注意したい場所

  • 病院・診療所:療養中の方への配慮、また院内での選挙運動は基本的に避けるべき場所です。タスキはもちろん外し、政治的な発言も控えるのがマナー
  • 学校・幼稚園:教員・園児への影響を考慮し、特に校門周辺での選挙運動は控えめに。送迎時の保護者への声かけも節度を持って
  • 官公庁・公共施設:庁舎内での選挙運動は禁止される場合が多いため、入庁前に必ずタスキを外す
  • 葬儀場・お寺・神社:宗教施設での選挙運動は厳に慎む。喪中の方々への配慮を最優先に
  • 選挙運動カーの中:移動中はタスキをつけたままでもOK。ただし車外に降りる前に身だしなみを整える時間を確保

こうしたシーン別の対応は、陣営内で「タスキを外す/つける場面リスト」として共有しておくと、運動員間でも判断がブレません。SNS発信担当者にも共有しておけば、写真撮影時の判断も統一できます。

 候補者本人の期日前投票チェックリスト 

 まとめ:投票所では「一人の有権者」に戻る 

候補者本人がタスキをつけたまま投票所に入ることは、公職選挙法第138条の2に抵触します。投票所敷地外でタスキを外し、一人の有権者として静かに投票を済ませる——この基本動作だけは絶対に外さないでください。

一方で、投票所周辺・投票後のSNS発信・メディア取材は、選挙運動上の重要なPR機会でもあります。有権者の投票行動を妨げない範囲で、上手に「期日前投票に行ってきました」というメッセージを届ければ、最終盤の投票率底上げにも貢献できます。法を守り、有権者を尊重する姿勢こそが、結果的に候補者の信頼につながります。

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