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― 明治時代との比較で見る、政治家のお金と「公費サポート」の全貌 ―
ニュースで毎日のように目にする総理大臣や各省庁の大臣たち。
まずは、現在の総理大臣のお金事情から見ていきましょう。
総理大臣の給与は「特別職の職員の給与に関する法律」という法律で厳格に定められています。
総理大臣が得る収入は大きく分けて2階建ての構造になっています。
内閣総理大臣としての給与
月給:約201万円
期末手当(ボーナス):年間 約560〜600万円
小計:約3,000万円
国会議員としての歳費(給与)
国会議員であるため、議員歳費なども支給されますが、大臣職にある間は一部重複分の調整が行われることがあります。一般的には、これらを合算した総理大臣の総年収は「約4,000万円前後」と言われています。
ここから所得税や住民税が引かれるため、手取り額はもっと少なくなりますが、一般的なサラリーマンの生涯年収の数分の一を1年で稼ぐ計算になります。
では、総理を支える周りの役職はどうでしょうか。
国務大臣(各省のトップ): 年収 約3,000万円前後
副大臣: 年収 約2,500万円前後
大臣政務官: 年収 約2,300万円前後
※いずれも国会議員歳費を含んだ概算
これらはすべて法律で公開されており、誰でも確認することができます。
ここで少し視点を変えて歴史と比較してみましょう。
日本で内閣制度が始まり、伊藤博文が初代総理大臣に就任したのは1885年(明治18年)のことで、当時の総理大臣の給与は現在とは比べ物にならないほど「破格」でした。
当時の記録によると、総理大臣の月給は「800円」でした。
「たった800円?」と思われるかもしれませんが、当時の物価(公務員の初任給が数円〜10円程度、米10kgが1円以下の時代)で換算すると、現代の貨幣価値では「月給数千万円〜億単位」に近い感覚だったとも言われています。
これには明確な理由があります。
「特権階級」としての威厳
明治時代の政治家は「天皇の臣下」であり、一般庶民とは明確に一線を画す「雲の上の人」でした。国の威信を保つため貴族のような暮らしが求められたのです。
私財を投じる必要性
当時の政治家は、私費で書生(今の秘書やスタッフ)を何人も養い、派閥を維持し、選挙戦を戦う必要がありました。「給料=個人の生活費」ではなく「政治活動の運営費」そのものだったのです。
戦後、日本国憲法下で政治家は「国民全体の奉仕者」となりました。現代の総理大臣の年収4,000万円は確かに高額ですが、明治時代のような「桁違いの特権階級」としての給与ではなく、「重責を担うリーダーへの対価」という現実的なラインに落ち着いています。
かつては100倍以上あったかもしれない庶民との格差は、現代ではおよそ10倍程度に縮まっていると言えます。
現代の総理大臣や大臣にとって、給与以上に大きな意味を持つのが、職務を遂行するための「公費によるサポート体制」です。これらは個人の資産にはなりませんが、政治活動を行う上での巨大なバックアップとなります。
総理は、職務を行う場所であり住居でもある「公邸」を無料で使用できます。家賃はもちろん、光熱費や維持管理費はすべて国持ち。これは「贅沢」というよりも、「24時間365日、国家の危機に即応するため」の必須設備です。
ここが最大のポイントです。
総理や大臣には、各省庁のエース級官僚が「秘書官」として派遣されます。
総理大臣: 7〜8名の秘書官(財務省、外務省、経産省、警察庁などから選抜)+政務秘書官
国務大臣: 3〜5名の秘書官
彼らは国家公務員であり、給与は国から支払われます。
政治家個人が雇う「私設秘書」とは異なり、政策の立案、国会答弁の作成、危機管理など、実務のすべてを支えるプロフェッショナル集団です。もしこれを自費で雇おうとすれば、年間数億円の人件費がかかるでしょう。
総理や大臣の移動には、防弾仕様の公用車(レクサスやセンチュリーなど)が用意され、専属の運転手がつきます。また、警視庁のSP(セキュリティポリス)が24時間体制で警護にあたります。これらもすべて、国家の重要人物を守るためのコストとして税金で賄われています。
ここまで見てきたように、政治家には多額の税金が投入されています。しかし、いくつかよくある誤解もあります。
誤解①「秘書を何人も雇って贅沢だ」
前述の通り、大臣に付く秘書官は「国務」を遂行するための公務員チームです。大臣個人の買い物や私用を頼むための存在ではありません。
誤解②「日本の総理はもらいすぎだ」
国際的に見るとどうでしょうか。
アメリカ大統領の年収は約4,000万円(40万ドル)、シンガポールの首相は約1億7,000万円とも言われています。
日本の総理大臣の給与は、先進国のリーダーと比較して「標準的、あるいはやや控えめ」な水準となっております。
総理大臣や大臣のお金について整理すると以下のようになります。
年収:
総理は約4,000万円、大臣は約3,000万円(議員歳費含む)。
歴史的変化:
明治時代の「特権的な富」から、現代は「職務への対価」へと変化した。
真の価値:
給与そのものより、官邸、秘書官、警備といった「公費サポート」の規模が巨大である。
これらのお金はすべて私たちの税金です。
「高い給料をもらっているからけしからん」と批判するだけでなく、「その金額に見合う仕事をしているか」「与えられた強大な権限とサポートを、国民のために正しく使っているか」をチェックすることこそが、私たち有権者の役割と言えるでしょう。
政治家のお金はすべて法律で公開されています。イメージだけでなく、こうした数字や仕組みを知ることが、政治への理解を深める第一歩になるのではないでしょうか。