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参議院選挙のルールを徹底解説!任期や改選のしくみは?

作成者: Admin|2025/07/02


 

参議院選挙は、私たちの暮らしや社会に関わる重要なルールを決める国会の一部を構成する参議院議員を選ぶ選挙です。しかし、「任期は何年なのか」「改選のタイミングはどう決まるのか」といった基本的なルールを正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。

そこで本記事では、参議院選挙の仕組みや任期、改選の流れ、選挙区選挙と比例代表選挙の違いまで、わかりやすく解説します。参議院選挙の仕組みを一から学びたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

 国会の仕組みと特徴  

国会は、日本の立法機関として法律を作ったり、予算を決めたりする重要な役割を担っています。ここではまず、国会の仕組みや特徴について、具体的に見ていきましょう。

 

 

 二院制の仕組みとメリット  

日本の国会は「二院制」を採用しており、衆議院と参議院の二つの議院で構成されています。二院制とは、国会に二つの意思決定機関を設け、それぞれが独立して審議や議決を行う仕組みです。

法律案や予算案は、まずいずれかの議院で審議され、その後もう一方の議院でも審査されます。この仕組みにより、一方的な決定が避けられ、慎重かつ多面的な議論が実現できるのです。

また、国民の多様な意見や利益を反映しやすくなるという点も二院制の大きなメリットといえるでしょう。二つの議院が互いに監視し合うことで、政治の暴走を防ぐ働きも期待されています。こうした仕組みによって、国会はより公正でバランスの取れた意思決定を目指しているのです。

なお、この二院制は、日本だけでなくアメリカやイギリス、フランスなどでも採用されています。

 衆議院と参議院の違いとは   

衆議院と参議院は、いずれも国会を構成する重要な議院ですが、役割や権限、任期などにいくつかの違いがあります。
以下に、両議院の主な違いをまとめました。

 

衆議院には『衆議院の優越』が認められており、法律案、予算案、条約の承認、内閣総理大臣の指名などの重要な議決について、参議院よりも議決が優先されます。特に内閣を退陣に追い込む「内閣不信任決議」は、衆議院のみが行えます。

一方で、参議院は解散がなく、6年の任期を安定して全うすることが基本です。この安定した立場から、衆議院に対する抑制機能を果たしています。

このように、それぞれの議院が異なる特徴を持ちながら、互いに補完し合うことで、国会全体がバランスの取れた仕組みとして機能しているのです。

 

 参議院についての基本情報 

衆議院との違いを押さえたところで、次は参議院そのものに目を向けてみましょう。参議院がどのような特徴を持つのか、性格や人数、任期について順を追って解説します。

 「良識の府」とは

参議院はしばしば「良識の府」と呼ばれています。この呼び名は、参議院が冷静かつ慎重な審議を行う場として期待されていることに由来します。

衆議院は任期4年とされていますが、解散があるため、議員は常に次の選挙を意識せざるを得ない立場です。そのため、目先の世論や短期的な政治判断に影響を受けやすい傾向があります。

これに対し、参議院は解散がなく、任期が6年と長いため、中長期的な視野で政策を考えることができます。内閣の動きや一時的な世論に左右されにくく、より腰を据えた議論が期待されているのです。

ただし、参議院には独自の決定権が少なく、最終的には衆議院の議決が優先される場面も少なくありません。このため、参議院の存在意義について議論されることもありますが、冷静な審議を行う場として引き続き重要視されているのが現状です。

 参議院の定数 

参議院の定数は、現在248人と定められています(公職選挙法第4条)。この定数は、選挙区選出議員と比例代表選出議員を合わせた人数で構成されています。参議院議員は、選挙区(都道府県単位または合区)ごとに選出される議員と、全国単位で選出される比例代表議員で構成されています。

もともと参議院の定数は242人でしたが、2018年の法改正により、議員1人あたりの有権者数の格差を是正する目的で248人に増員されました。この改正は、一票の価値をできる限り平等に近づけるための取り組みの一つです。定数は今後も人口動態や社会状況に応じて見直される可能性があります。

 

参議院の任期

参議院議員の任期は6年と定められています(日本国憲法第46条)。この任期は、衆議院議員の4年に比べて長く、解散もありません。したがって、本人が辞職する、死亡するなどの特別な事情がない限り、任期満了まで議員として活動を続けることになります。

また、衆議院と参議院の選挙が同じ時期に実施される場合もありますが、参議院は3年ごとに半数が改選される仕組みのため、すべての議員が一度に入れ替わることはありません。このように、参議院は一定の議員が常に残る構造になっています。

なお、改選のタイミングは原則として3年ごとですが、補欠選挙などが発生した場合はその限りではありません。

 定数の約半数を3年ごとに改選する理由

ではなぜ、全議員を一度に改選しないのか疑問に思う方もいるでしょう。理由は、政治の安定性を確保しつつ、有権者の意思を適度に反映するための制度設計によるものです。

仮に全議員が一度に交代すると、国会で積み上げてきた議論や知見が一気に失われ、安定した審議が難しくなってしまいます。とはいえ、全く入れ替わりがない状態では、国民の声が反映されにくくなるおそれもあるでしょう。

その点、半数改選であれば、新しい民意を適度に反映しながらも、継続的に積み上げた議論や政策を次の期にも引き継ぐことが可能です。この仕組みによって、参議院は長期的な視野と短期的な民意のバランスを維持できるようにしているのです。

 

 参議院の選挙制度の仕組み 

参議院では、定数の約半数を3年ごとに改選すると説明しました。ここからは、実際にどのような選挙方法で議員が選ばれているのかを詳しく見ていきましょう。

 選挙区選挙 

まずは、参議院議員の選出方法の一つである「選挙区選挙」について解説します。

 

選挙区選挙とは

選挙区選挙は、全国の都道府県ごとに実施される投票方式です。有権者は自分が住んでいる都道府県から立候補した候補者に投票します。各都道府県には定数が割り当てられており、その数は人口規模に応じて異なります。

たとえば、東京都(定数6人)では3年ごとに3人、大阪府(定数4人)では2人が選出されます。なお、1票の格差を是正するため、2016年の選挙から「鳥取県と島根県」「徳島県と高知県」をそれぞれ一つの選挙区にまとめる「合区」が実施され、2025年時点で、参議院の選挙区は合区を含めて45区となっています。

選挙区選挙の特徴は、地域の代表としての色彩が強いこと。候補者は当該都道府県の課題や要望を国政に反映することが期待されており、得票数の多い人から順に当選が決まります。そのため、複数の候補者が立候補する場合、競争が激しくなることも少なくありません。

 

 1人区とは 

1人区とは、改選時に1人だけを選出する選挙区のことです。現在の参議院選挙では、人口の少ない県を中心に32の1人区が存在しています。

 

1人区の特徴は、候補者間の競争が激しくなることです。1人しか当選できないため、候補者は地域の隅々まで回って支持を訴える必要があります。また、政党にとっても重要な選挙区となるため、党幹部が応援に駆けつけることも多いのです。

1人区では、しばしば与党系候補と野党系候補の一騎打ちの構図となります。この場合、全国的な政治情勢が選挙結果に大きく影響することが多く、政権に対する中間評価の意味合いを持つことも少なくありません。

 比例代表選挙 

次に、参議院議員を全国単位で選出する「比例代表選挙」の仕組みを確認していきましょう。

 

比例代表選挙とは

比例代表選挙は、日本全国を一つの選挙区として行われる選挙制度です。参議院の比例代表選出議員は、選挙区選挙と異なり、政党の得票数に応じて議席が配分される仕組みとなっています。

有権者は、政党名または候補者名のいずれかを投票用紙に記入します。政党名に投票した場合は「政党票」として、候補者名に投票した場合、その票は候補者の個人得票であると同時に、その所属政党の得票としても加算されます。この制度により、政党全体の得票数が議席数に直接結びつくため、有権者の支持が比例して反映されやすくなっています。

比例代表選挙は、全国規模で活動する候補者や政党が支持を広げる場として活用されているといえるでしょう。

 

ドント式とは

比例代表選挙では、議席数を公平に配分するために「ドント式」という計算方法が用いられます。ドント式では、各政党の得票数を「1、2、3……」と順番に割り算し、その商の大きい順に議席が割り当てられる仕組みです。 たとえば、A党が100万票、B党が60万票、C党が40万票を獲得し、配分する議席が5議席の場合を考えてみましょう。

まず、各政党の得票数を順に割ります。

 

A党:100万 ÷ 1 = 100万、100万 ÷ 2 = 50万、100万 ÷ 3 = 約33.3万

B党:60万 ÷ 1 = 60万、60万 ÷ 2 = 30万、60万 ÷ 3 = 20万

C党:40万 ÷ 1 = 40万、40万 ÷ 2 = 20万、40万 ÷ 3 = 約13.3万

 

この中で大きい順に5つを選び、議席を配分します。

順位:①A党(100万)、②B党(60万)、③A党(50万)、④C党(40万)、⑤A党(33.3万)

 

この場合、A党が3議席、B党が1議席、政党Cが1議席を獲得することになります。ドント式は計算が公平で、票の多い政党も少ない政党も比例して議席を得られるのが特徴です。この方法により、全国の民意をできるだけ正確に反映するよう工夫されています。

 議員に欠員が出た場合

参議院議員に欠員が生じた場合、どのように補充されるのかは選出方法によって異なります。ここでは、選挙区選出議員と比例代表選出議員に分けて確認していきます。

 

選挙区選出議員の欠員による場合

選挙区選出議員が死亡や辞職により欠員となった場合、そのまま議席を補うことはできません。選挙区の場合は、原則として補欠選挙が行われます(公職選挙法第113条)。

 

補欠選挙は年2回、4月と10月に実施され、通常の参議院選挙と同じ方法で投票が行われます。当選した議員の任期は、前任者の残りの期間のみとなります。つまり、新たに6年の任期が与えられるわけではなく、欠員が出た議員の残りの任期を引き継ぐ形です。

なお、通常選挙の6か月前以降に欠員が生じた場合は、補欠選挙を行わずに通常選挙まで欠員のまま置かれることがあります。

 

比例代表選出議員の欠員による場合

比例代表選出議員が死亡や辞職により欠員となった場合、選挙区と異なり、補欠選挙は実施されません。代わりに、前回選挙時の政党名簿に記載されている候補者の中から、当選者の次に得票数が多かった候補者が繰り上げ当選する仕組みが採用されています。この制度は公職選挙法第112条に規定されており、「繰上補充」と呼ばれています。

ただし、繰上補充ができるのは、その政党名簿に補充できる候補者が残っている場合に限られます。既に名簿の候補者全員が当選している、あるいは名簿に登載されている候補者が辞退した場合は、繰上補充は行われません。

また、繰上補充で議員となった場合も、任期は前任者の残り期間のみです。次回の通常選挙まで議員として活動し、その後は改めて立候補することが可能です。

支持は政党からの最も軽い支援形態であり、組織的な後ろ盾はほぼ望めません。したがって、資金も組織も自前で準備しなければならず、選挙戦略の全責任を自身で負う覚悟が必要です。

一方で、政党の意向に縛られない柔軟な立ち回りが可能なため、無党派層や異なる支持層の取り込みも狙える点は大きな魅力です。

候補者は、支持を受ける意義と、その影響度を冷静に判断することが求められます。

 

まとめ

参議院選挙は、任期6年と半数改選を基本とした、安定した仕組みを持つ選挙制度です。選挙区選挙と比例代表選挙を組み合わせることで、地域の声と全国の民意の両方を反映しています。選挙区では補欠選挙、比例代表では繰上補充といった欠員対応の仕組みも整えられ、制度全体が一貫して機能しています。

本記事を通じて、参議院選挙の構造やルールを体系的に理解できたのではないでしょうか。正しい知識をもとに、今後の選挙にも関心を持っていきましょう。

 

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