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【公職選挙法】SNSで「やってはいけないこと」とは?うっかり違反例を徹底解説

作成者: Admin|2025/11/14

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はじめに

選挙の季節がやってくると、私たちのスマートフォンにはX(旧Twitter)、Instagram、Facebook、LINEといったSNSを通じて、候補者の情報がひっきりなしに流れてきます。2013年に「ネット選挙運動」が解禁されて以来、SNSは候補者にとっても、私たち有権者にとっても、政治的な意思を表明する「当たり前」の広場となりました。

しかし、その「当たり前」の行動に、法律違反の大きな「落とし穴」が潜んでいることをご存知でしょうか。

・この候補者を応援したい
・良かれと思って、友だちにLINEで拡散した
・熱意が伝わるよう、リール動画に『宣伝』ボタンを押してしまった

こうした「うっかり」や「善意」の行動が、日本で最も古い法律の一つである「公職選挙法(こうしょくせんきょほう)」に抵触し、最悪の場合、候補者の当選無効や、応援した支援者自身が逮捕される事態を招く可能性があるのです。

「知らなかった」では済まされないのが、法律の怖いところです。この記事では、選挙ブログを運営する私たちだからこそお伝えしたい、ネット選挙・SNS活用において「絶対にやってはいけないこと」を、具体的な「うっかり違反例」と共に徹底的に解説します。無用なリスクを避け、クリーンにあなたの「声」を届けるために、ぜひご一読ください。

第1章:大前提 「ネット選挙運動」は解禁されている


まず、大前提の確認です。「ネット選挙は怖い」というイメージの多くは、古い情報に基づいています。

2013年まで「原則禁止」だった

驚くべきことに、2013年(平成25年)4月以前の日本では、インターネット(ホームページ、ブログ、SNS、Eメール)を使った「選挙運動」は、公職選挙法で原則として禁止されていました。これは、ネットが普及し始めた時期に、「お金のある候補者だけがネットで有利になる」「匿名による誹謗中傷が横行する」といった懸念から作られたルールでした。

2013年に「解禁」された

しかし、SNSが社会のインフラとなる中で、「国民の主要な情報源であるネット空間でだけ選挙運動ができないのはおかしい」という声が高まり、2013年に公選法が改正されました。これにより、候補者・政党だけでなく、私たち一般の有権者(18歳以上※)も、「選挙運動期間中(公示・告示日~投票日の前日まで)」に、インターネットを使った「選挙運動」を行うことが「合法」となったのです。
(※当時の解禁は20歳以上。現在は選挙権年齢の引き下げに伴い18歳以上)

つまり、あなたが18歳以上の有権者であれば、「〇〇選挙では、A候補を応援します!皆さん、Aさんに投票しましょう」と、自分のX(旧Twitter)やInstagramの公開タイムラインに投稿する行為は、法律で認められた正当な権利です。問題は、この「解禁」が「何をしても良い」という自由(無法地帯)を意味するのではなく、守らなければならない厳格な「禁止ルール」も同時に定められた、という点です。

 

第2章:最大の境界線 「政治活動」と「選挙運動」

「やってはいけないこと」を理解する上で、すべての基本となる「鉄の境界線」があります。それが「政治活動」と「選挙運動」の違いです。この2つは、似ているようで、法律上は「天と地」ほどルールが異なります。

政治活動

目的
政治家(候補者)や政党が、自身の政策・理念・主義主張を広く社会に浸透させること。
党勢を拡大すること。

具体例
政策(例:「子育て支援を充実させるべきだ」)を発表する。
自身の活動報告(例:「〇〇商店街を視察しました」)をSNSに投稿する。

ルール
原則として、時期の制限なく、いつでも自由に行えます。

選挙運動

目的
「特定の選挙」において、
「特定の候補者(または政党)」を、
「当選させること(または落選させること)」を直接の目的として行う、投票の勧誘や働きかけ。

具体例
「〇〇区議会議員選挙では、私、〇〇太郎に、あなたの一票をお願いします」
「A候補を当選させてください」

ルール
公選法で定められた「選挙運動期間中」しか、絶対に行うことができません。「違反」のほとんどは、この「選挙運動」を「選挙運動期間外」にやってしまう「フライング(事前運動)」か、法律が認めていない「方法」でやってしまうことから発生します。

第3章:【違反例】SNSで「やってはいけないこと」NGリスト7選

ここからが本題です。候補者、陣営、そして一般の支援者が、SNSで「うっかり」やってしまいがちな、致命的な「やってはいけないこと」を7つの違反例と共に解説します。

【期間の違反】 公示日(告示日)前のフライング投稿(事前運動)

やってはいけないこと
「選挙運動期間」“より前”に、SNSで「投票依頼」を行うこと。

「うっかり違反」例
選挙の公示日(告示日)の1週間前に、候補者がInstagramで「立候補を決意しました!〇〇市長選挙、私にあなたの一票を!」と投稿してしまう。(NG) 熱心な支援者が、公示日前に「Aさんを当選させたい!」という思いで、X(旧Twitter)で「B候補は落選させよう!A候補こそがふさわしい!」とフライング投稿する。

候補者が、公示日前にInstagramのプロフィール欄に「〇〇区議選に立候補予定。私に投票してください!」と書いてしまう。(※プロフィール欄も「常時表示される文書図画」とみなされ、事前運動の違反に問われます)

なぜNGか?
公選法第129条で、選挙運動は「公示・告示日に立候補届出をした瞬間から、投票日の前日まで」と厳格に定められています。これより前に運動を許すと、資金力や知名度のある現職だけが有利になり、選挙の「公正なスタート」が担保できなくなるためです。

安全な戦略
公示日前は、徹底して「政治活動」に留めます。「〇〇市長選への挑戦を決意しました。私の政策は〇〇です。全力で活動します」(投票依頼(「一票を」「当選させて」)の文言がないため)「〇〇区の未来のために、私は働きます」

【期間の違反】 「投票日当日」の投稿・リツイート(当日運動)

やってはいけないこと
「投票日当日」(0時00分~投票所の閉鎖時刻まで)に、SNSで選挙運動(投票依頼)を行うこと。

「うっかり違反」例
投票日当日の朝、候補者や支援者が「本日、投票日!最後の一押し、A候補をよろしくお願いします!」とX(旧Twitter)やInstagramのストーリーズに投稿する。

投票日前日の夜に投稿された候補者の「最後のお願い」という投稿を、投票日当日にリツイート(リポスト)する。

支援者が「〇〇さんに投票してきました!皆さんもぜひ」と、投票先を明記してSNSに投稿する。(※これは「選挙運動」とみなされる可能性が極めて高い、危険な行為です)

なぜNGか?
投票日当日は、有権者が静かな環境で冷静に判断するための「沈黙の期間」とされているためです。

安全な戦略
投票日当日は、特定の候補者名や政党名を出さない「投票啓発(とうひょうけいはつ)」の投稿のみが許されます。

・今日は〇〇選挙の投票日です。未来のために、皆さん投票に行きましょう
・投票完了しました!大切な一票、投じてきました。

【方法の違反】 DMやLINEでの「個別」投票依頼

やってはいけないこと
X(旧Twitter)のDM(ダイレクトメッセージ)や、LINEの個人チャット(グループチャット含む)を使って、「投票してください」と依頼すること。

「うっかり違反」例
候補者陣営が、Instagramのフォロワーに感謝のDMを送り、その文末に「ぜひ〇〇に一票を!」と書き添えてしまう。

熱心な支援者が、善意で「A候補を当選させたい!」と思い、自分のLINEの友だち全員に「A候補をよろしくお願いします」と一斉送信する。

なぜNGか?
2013年の法改正では、Xのタイムラインやインスタのフィードのような「公開されたウェブサイト等」での選挙運動は解禁されました。しかし、「電子メール(Eメール)」による選挙運動は、候補者・政党本人以外は「厳格に禁止」されています。そして、DMやLINEのような「閉鎖的な通信(1対1や特定少数へのメッセージ)」は、法律上、この禁止されている「Eメール」と同等と見なされる可能性が極めて高いのです。

安全な戦略
選挙運動(投票依頼)は、必ず「公開」された場所(Xのタイムライン、インスタのフィード・ストーリーズ・リール)で行います。DMやLINEのチャットは、有権者からの「意見・相談」を「受ける」窓口としてのみ活用し、陣営から「投票依頼」を「送る」ことには絶対に使わない、というルールを徹底します。

【方法の違反】 インスタの「宣伝(プロモーション)」ボタンを押す(有料広告)

やってはいけないこと
選挙運動の目的で、SNSの「有料広告」機能を利用すること。

「うっかり違反」例
選挙運動期間中に投稿した「渾身のリール動画(政策解説)」が好評だったため、候補者(陣営)がインスタの「投稿を宣伝(Boost Post)」ボタンを押し、お金を払って選挙区内の有権者に広告配信してしまう。

熱心な支援者が、「A候補を当選させたい」という善意で、自分のお金を使ってA候補の応援投稿をインスタで有料広告として出してしまう。

なぜNGか?
公選法第142条の3は、「選挙運動」のための有料インターネット広告を固く禁止しています(※政党が選挙期間中に送る「選挙運動用Eメール」に付随する広告など、ごく一部の例外を除く)。これは、「お金のある候補者(政党)」だけが、広告の力で情報を大量に拡散でき、選挙の公正と公平が著しく害されるためです。

安全な戦略
ネット選挙戦略は、すべて「オーガニック(無料)」の投稿と、支援者の「善意(無料)の拡散」によって行われるのが大原則です。

【内容の違反】 デマやウソの拡散(虚偽事項公表)

やってはいけないこと
当選させる目的、または落選させる目的で、候補者の経歴、素行、所属政党などに関して「ウソ(虚偽の事実)」を投稿すること。

「うっかり違反」例
相手候補を落選させるため、「A候補には逮捕歴があるらしい」「B候補は〇〇というカルト宗教の信者だ」といった、事実無根のデマを画像付きでフィード投稿する。

相手候補の演説動画の一部だけを悪意を持って切り抜き、「C候補は『増税する』と公言した!」などと、本来の文脈とは異なる(事実をゆがめた)リール動画を作成・投稿する。

なぜNGか?
公選法第235条(虚偽事項の公表罪)という重罪です。デマやウソは、有権者の「正しい判断」を妨げる最たるものであり、選挙の公正を根本から破壊する行為です。

安全な戦略
他候補の批判(政策批判)は、必ず「事実(ファクト)」と「公式な情報源(ソース)」に基づいて行います。善意の支援者も、真偽不明の「怪しい情報」を安易にリツイート(リポスト)しないことが、身を守る最大の防御策です。

【内容の違反】 金品での“お礼”や“誘導”(買収)

やってはいけないこと
選挙運動に関して、有権者に対し金銭や物品を提供したり、利益を供与する約束をしたりすること。

「うっかり違反」例
候補者がインスタで、「私のこの応援リールをストーリーズでシェアしてくれた人の中から、抽選で10名にAmazonギフト券をプレゼント! #〇〇太郎を当選させよう」と投稿する。

支援者の飲食店が、「〇〇太郎さんに投票したと(投票済証などで)証明してくれたら、ドリンク1杯無料サービス」とインスタで宣伝する。

なぜNGか?
これらは「投票」という神聖な権利を「金品」で買う行為であり、民主主義の根幹をなす「買収(ばいしゅう)罪」(公選法第221条)そのものです。

安全な戦略
選挙と「金品(プレゼント企画)」を紐づけることは、いかなる理由があっても絶対に禁止です。
有権者に依頼できるのは「投票」という無形の行動支援のみです。

【主体の違反】 18歳未満(未成年者)による選挙運動

やってはいけないこと
18歳未満の者(未成年者)が、選挙運動を行うこと。

「うっかり違反」例
17歳の高校生が、自分のインスタアカウントで「私はA候補を応援します!皆さん、Aさんに投票しましょう!」とストーリーズやフィードに投稿する。

陣営が、18歳未満の学生ボランティアに「インスタの運用(投稿作業)」を任せてしまい、その学生が(候補者の指示として)投票依頼の投稿を作成・アップロードする。

なぜNGか?
公選法第137条の2で、学業を優先すべき未成年者を、選挙という政治活動から保護するため、とされています。

安全な戦略
18歳未満の者が、「選挙運動」ではなく「政治活動(政治的意見の表明)」を行うことは、禁止されていません。(例:「〇〇党の政策が好きだ」「政治についてこう思う」)陣営としては、この「境界線」を18歳未満の支援者に教えるのは困難なため、「18歳未満の人は、特定の候補者名や政党名を出した『投票依頼』は絶対にしないでください」と明確にアナウンスし、予防線を張るべきです。

 

「うっかり違反」を防ぐための「守り」の体制づくり

これらの「やってはいけないこと」は、候補者や陣営スタッフが「知っている」だけでは防げません。「うっかり」は、多忙な選挙期間中にこそ起こります。違反を防ぐためには、仕組み(ルール)で守るしかありません。

1.「投稿マニュアル」を必ず作成する

「平時(政治活動)」と「選挙運動期間中」で、使ってよい言葉、NGな言葉を明確にリスト化します。「事前運動NG」「当日運動NG」「DMでの投票依頼NG」といった重要ルールを、マニュアルの冒頭に赤字で記載します。

2.「法務・コンプライアンス担当者」を必ず置く

SNSを運用するチーム(特に若いスタッフ)とは別に、公選法に詳しいベテランスタッフや、可能であれば弁護士などの専門家を「法務チェック担当」として置きます。選挙運動期間中の投稿は、必ずこの担当者が「投稿前に」法的なチェック(ダブルチェック)を行うフローを義務化します。

3.「支援者(一般人)」への周知・教育を徹底する

違反は、善意の支援者が起こすことが多々あります。公式HPやインスタ投稿で、「支援者の皆様へのお願い(公選法上の注意)」というページ(投稿)を必ず作成・公開します。「DMでの投票依頼はNGです」「有料広告は絶対にやめてください」「18歳未満の方は投票依頼できません」といった、支援者がやりがちな「うっかり違反」を、あらかじめ周知徹底することが、陣営の最大のリスク管理となります。

まとめ

SNSは、候補者の「人柄」と「熱意」をビジュアルで伝え、政治的無関心層の「共感」を呼び起こす、現代の選挙戦略において最強の武器の一つです。しかし、その武器は、公職選挙法という「安全装置」を理解せずに使えば、候補者自身や大切な支援者を傷つける「凶器」にもなり得ます。「うっかり」では済まされないのが、選挙違反の恐ろしさです。

7つのNGリスト

1.事前運動(選挙期間外の投票依頼)
2.当日運動(投票日当日の投票依頼)
3.有料広告(「投稿を宣伝」ボタン)
4.DM(閉鎖空間での投票依頼)
5.虚偽事項(デマ、ウソ、悪意ある切り抜き)
6.買収(プレゼント企画との連動)
7.18歳未満(未成年者による選挙運動)

これらの「境界線」を明確に理解し、チーム全体で「守り」の体制を固めること。それこそが、インスタという主戦場を制し、クリーンな選挙戦略を成功させるための、最低限かつ最重要の「常識」なのです

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